福島県教育センター所報ふくしま No.111(H06/1994.6) -014/038page
本校における学力向上の取り組みについて
福 島 県 立 安 積 高 等 学 校
1.はじめに本校では日頃から学力向上に全力を上げているが,特に「学力向上ステップアッププラン」の推進に当たって,新しい取り組みの実施や研究を深めることになった。ここでは.その中の基本的で且つ中心的な内容を取り上げながら,日常的な実践にも触れつつ本校の学力向上の取り組みについての一部を紹介したい。
2.学カ向上ヘの研究的取リ組みの実際まずステップアッププラン関係の新しい取り組みについて,その機柚となっている部分についてまとめてみる。
(1) 全統基礎力テストを各学年実施した。
新学期スタート時に学力を分野別に分析し,学力状況を把握して学習計画・指導計画を早期に確立することをねらいとした。
(2) 第ー学年学習合宿
年度初めの5月19日から21日の二泊三日,磐梯熱海で実施された。目的は,自学自習の時間を中心にすえて自ら学ぷ態度の習慣化の確立と自分に合った学習法を工夫することにある。予習を十分行った上で授業を受けることの意味を実体験する。内容としては,元校長と先輩の講演,国数英各50分の授業(I〜VI),1時間から2時間の自学自習(I〜VI),確認テストなどである。(別表参照)この開催に当たって,学習合宿のための指導計画や諸準備を現地において開催し,指導の細部まで検討し学習合宿全体の効果を上げるように配慮した。特に,準備が綿密になされロスタイムもなく円滑に進行でき,また,遅くまで教師の熱心な指導がなされたことにより大きな成果を上げることができた。アンケートによれば,予習の必要性が分かった(47.8%),勉強(予習・復習など)の仕方が分かった(41.2%)などの結果がある。
(3) 第三学年学習合宿
夏休みの8月17日から20日までの三泊四日,磐梯高原に於て実施された。これは,主に部活動終了者に対し受験態勢の確立の援助を目的としたものである。内容は,予備校講師の講演,国数英の講義,それに自学自習であるが,自学自習の比重が大きい。成果としては,部活動終了者を中心として学習が遅れ気味の生徒や希望者も受け入れ,本格的な受験態勢に入れるよう指導しながら自主的な学習習憤を確立させた。アンケートでは,自分の目的が達成できた(36%),ほぼ達成できた(35%),まあまあできた(17%),学習時間では25時間から30時間が50%で,30時間以上が10%あった。
(4) 学習指導法研究会の実施
学校独自の研究会で,校外模擬試験の作問関係者を講師として,国語・数学・英語・理科で新教育課程における入試動向の予測や指導法の研究を行った。
(5) 中学校連絡協議会を5月と11月に開催した。第一回では,授業は英数国各2クラスずつ実施し,平常の授業形態を公開した。また教務,進路指導に関して概況を説