福島県教育センター所報ふくしま No.111(H06/1994.6) -020/038page

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連載コーナー

あ な た も カ ウ ン セ ラ ー

−問題行動をもつ児童生徒への指導援助−


教 育 相 談 部


111号 万引きの初期の段階における指導援助
112号 喫煙の問題をもつ児童生徒への指導援助
113号 性の問題をもつ児童生徒への指導援助
114号 学級内でのいじめの問題に対する指導援助

近年,児童生徒の問題行動は多様化,複雑化の傾向にあり,個々の問題に応じた指導援助を行うことが必要です。今年度は,反社会的問題行動を取り上げ,今回は万引きの初期の段階における指導援助の在り方を探っていくことにします。

万引きは初発型非行と言われ,規範意識の乏しい少年によって軽い気持ちで行われており,集団化,常習化しやすく,犯罪に結ぴつくような非行へ発展しがちです。

平成5年度福島県警察本部の「少年非行」の調査を見てみると,万引きは表1のように922人と最も多く,前年度に比ベ91人(11%)増加し,前年度までの4年連続の滅少から増加に転じています。

「少年非行」

学職別に見ると表2のように学年が進むにつれて増加していることがわかります。

万引きで補導された中学生,高校生の中には,小学校時代に初めて万引きを経験し,その後も繰り返している児童生徒が少なくありません。

万引きの初期の段階は,単に盗みの問題だけでなく,背後に児童生徒の心の問題が潜んでいることが多く見られます。例えば,家族間の心理的葛藤・学業不振や友人関係がうまくいかないことなどです。これらのことが原因となって,嘘をつく,約束を破る,小使いを浪費する,家からお金を持ち出すなどの問題行動として表れることがあります。教師には,このような問題行動を見逃さず,早期に発見して,適切な指導援助を行うことが求められます。

本号では.小学生の万引きの初期の段階での指導援助の事例を紹介します。


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