福島県教育センター所報ふくしま No.111(H06/1994.6) -024/038page

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研究紹介

社会科における一人一人の学び方の特性を生かす学習指導の工夫


学 校 経 営 部 関 本 良


I はじめに

児童を主体とする学習指導では,児童の内面的な欲求を重視し,一人一人の学ぴ方に対応した学習活勤を工夫していくことが大切である。

そのためには,個々の児童の学ぷ意欲が持続し,学習活動に対する満足感や成就感がもてるよう,児童の目の高さに立った援助・支援をしていくことが必要である。

そのーつの方法として,児童の個性の一つである学習に対する適性(学習スタイル)に焦点を当て,それを生かす指導が,学ぽうとする意欲や知識・理解にどのように関わっていくかについて述べていきたい。

II 研究のねらい

社会科学習において,学習に対する適性を生かす指導が,児童の学習意欲や知識・理解にどのよう関わるかを明らかにする。

III 研究内容

1 学習に対する適性について

2 学習に対する適性の把握の方法

3 学習に対する適性を生かす学習指導

IV 研究の実際と考察

1 研究の基本的な考え方

(1) 学習に対する適性について

学習に対する適性については,たとえば,ある子どもは,言語を主体とする学習材には興味を示さないが,視覚に訴えた学習材には意欲をもって取り組み,理解が早いというように,子ども一人一人に適した学習材や学習活動・学習形態があると言われている。

−方,学習に対する適性は,児童の学習経験や学習環境などによって絶えず変わるため,一般化できない傾向があり,指導に生かしにくい面がある。

しかし,学習に対する適性をふまえた指導過程を工夫すれば,学習意欲を喚起し,結果として知識・理解の獲得が確かなものになると思われる。

このような考えから,児童の学習に対する適性を下図のように類型化し,指導の手がかりとした。

<学習に対する適性の3類型>
(1) 学習材に関わる特性
○ 文章型(教料書等の文章から学習材を得るタイプ)
○ 資料型(地図,グラフ,年表等から学習材を得るタイプ)
○ 視聴覚型(0HP,TV,VTR,映画等から学習材を得るタイプ)
・聴覚タイプ(音声による説明を重視するタイプ)
・視覚タィプ(画面を重視するタイプ)
○ 情報機器型(パソコン等から学習材を得るタイプ)
・聴覚タイプ(音声による説明を重視するタイプ)
・視覚タイプ(画面を重視するタイプ)
・文字タイプ(文字による説明を重視するタイプ)

(2) 学習活動に関わる特性
○ 新聞,吹き出しなとの文章作りを好むタイプ
○ 絵地図や絵年表作りを好むタイプ
○ 分布図やグラフ作りを好むタイプ
○ ビデオで表現することを好むタイプ
○ OHPで表現することを好むタイプ
○ コンビュータで表現することを好むタイプ

(3) 学習形態に関わる特性
○ 一人で学習することを好むタイプ
○ グループで学習することを好むタイプ
○ 全員で学習することを好むタイプ

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