福島県教育センター所報ふくしま No.111(H06/1994.6) -026/038page

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1. 単元名「明治維新を進めた人々」

2. 授業仮説

個々の児童の学習に対する適性に合った調ベ方を実践させることによって,意欲的に課題を解決することができるであろう。

授業案1
学習活動・内容 指導上の留意点 ※評価
1 学習計画をもとに,教科書,VTR,博物館見学,コンピューター等で調べる。
<調べる内容>改革の内容
(1) 四民平等
(2) 廃藩置県
(3) 徴兵令
(4) 廃刀令
(5) 地租改正

<調べる内容>世の中の様子の変化
(1) 教育制度
(2) 貨幣や銀行制度
(3) 交通・通信の発達
(4) 衣食住の変化
(5) 人々の考え方
○ 調べることが苦手な児童に対しヒントカードや助言を与える。
○ 諸改革は,近代国家の建設をめざし,政治の仕組みを変えていったことをとらえさせ,それが士族や農民の不満につながるものであったことを理解させる。
○ 調べる順序は,児童の興味・関心のあるものから調べてよいものとする。
○ 世界の文明と早く肩をならべようとした,明治政府の意欲をとらえさせる。
○ 教育制度の改革の目的について考えさせるとともに,福沢諭吉が人々に与えた影響についても理解させる。

<調べる内容4>国力を高め,国に追いつくための政策(1) 徴兵令
(2) 官営工場貨幣
○ この政策は,どんな影響を及ぼしたのかをとらえさせる。
※ 各地で士族や農民の反乱が起こったわけを諸改革を調べる中で理解することができたか。

3. 指導の概要

前時の学習コースの選択に当たっては,学習活動の方向が友人関係によって左右されないように,学習に対する適性の調査結果を基にアドバイスした。

調べコースの選択状況

<調べコースの種類>( )内は選択した人数:総人数38人
A 主に文章(教科書・参考書等)で調べるコース(5)
B 主に文章以外の年表・グラフ・表・図等で調べるコース(4)
C 主にビデオで調べるコース(6)
D 主にコンピュータで調べるコース(12)
E 主に見学%体験して調べるコース(11)

<まとめの表現活動のコース>
A 新聞・感想文・カード・カルタなどでまとめるコース(13)
B 絵年表・グラフ・絵地図などでまとめるコース(1)
C ビデオやTPシート(OHP)などでまとめるコース(9)
D コンピュータでまとめるコース(8)
E 劇・紙芝居・人形劇でまとめるコース(7)

また,本時では,児童が独自に考え,課題が解決できるように「学習の手引き」を活用した。その結果,学校の中で調ベることのできない見学コースを選択した児童は,第2土曜日に博物館で自主的にグループで調ベてきた。なお,学級の中だけでは,これらのコースに対応できないものについては,視聴覚室,図書室等を活用できるようにした。また,自分の学習課題を追究した児童には,自作の「確かめのためのCAI教材」に取り組ませ,調ベ学習が,より確かなものになるように配慮した。

(2) 検証授業2(表現活動の段階)6,7時

1. 授業の仮説

個々の児童の学習に対する適性に合った表現活動をさせれば,児童の学習意欲が高まり,諸改革に対する多様な見方・考え方が深まるであろう。

授業案2
学習活動・内容 指導上の留意点 ※評価
6〜7 1 調べたことをもとに,明治の諸改革及び士族や農民の反乱について多様な方法で表現する。 ○ 調べたことを単なる話し合いで終わらせるのではなく,多様な表現活動をさせることによって,更に理解を深めさせる。
また,他の児童の作品を見ることによって,明治の諸改革をより深く見つめさせる。
1 士族や農民の反乱が起きたわけについて,今までの学習をもとに話し合う。
2 明治政府が強行に改革を押し進めたわけについて話し合う。
3 政府の役人・士族・農民のそれぞれの立場になって三者会談を行う。
4 今までの学習を構造図やイラストでまとめる。
○ 武士や農民の不満について具体的にとらえさせる。
○ 明治政府が反対を押し切って改革したのは,欧米諸国に追いつきたいという願いがあったことを理解させる。
○ 明治政府の諸改革に対する見方・考え方を深めさせる。
※ 課題を解決する中で,諸改革に対する見方・考え方を深めることができたか。

2. 指導の概要

本時では,学習メディアを,児童の表現方法の一手段として位置づけた。児童は,調ベたことをもとにして,様々なメディアで創造的に表現する姿が見られた。ここでは,グループの中でよさを生かした役割分


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