福島県教育センター所報ふくしま No.112(H06/1994.10) -019/038page
連載コーナー
あ な た も カ ウ ン セ ラ ー
−問題行動をもつ児童生徒への指導援助−
教 育 相 談 部
111号 万引きの初期の段階における指導援助
112号 喫煙の問題をもつ児童生徒への指導援助
113号 性の問題をもつ児童生徒への指導援助
114号 学級内でのいじめの問題に対する指導援助児童生徒が喫煙する動機は,「興味があったから」,「友達が吸っていたから」というものが多いようです。児童生徒の喫煙は,本人や周囲の人々の健康を害するだけではなく,触法行為でもあります。
児童生徒の喫煙の背貴には,人より目立ちたいという背伸ぴした気持ちが強くあります。さらには,不良交友の媒介としての喫煙もあり,不良交友の集団は,喫煙のみならず飲酒や万引き,暴行,恐喝などの非行問題をおこしている場合があります。
平成5年の福島県誓察本部防犯部少年課
「平成5年における少年の補導及び保護の概況」によれば,ぐ犯少年(保護者の正当な監督に服しない性癖など一定の理由があって,その性格または環境に照らして,将来罪を犯し,または刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年)や不良行為少年(飲酒,喫煙,乱暴,その他自己または他人の徳性を害する行為をしている少年)として補導された少年は11,232人おり,全体の61.4%が中学生,高校生でした(表1)。さらに.補導された理由の約半数が「喫煙」でした(表2)。このような状況から,ぐ犯・不良行為少年として補導された少年の多くは「喫煙」を理由とする中学生,高校生であることがわかります。
他の問題行動の場合と同様,喫煙の問題をもつ児童生徒への指導援助の場合にも,喫煙を手がかりに児童生徒の内面にふれる指導援助をすすめることは重要だと思われます。
本号では,喫煙の問題をもつ中学生への指導援助の事例を紹介します。