福島県教育センター所報ふくしま No.112(H06/1994.10) -022/038page

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されるように配慮する。

・B夫,C雄の学級担任と十分な連絡を取り合い,共通の指導援助をすすめる。

◎ 指導援助の方針(2)を受けて
学年生徒指導係を中心に指導援助をすすめた。その際,次のような点に配慮した。

・各学級担任の指導援助の報告を受けて,学年主任や生徒指導主事と十分な相談をしながら,それぞれの指導援助が共通に行われるように連絡調整を図る。

・本人,家庭,学級(学年)で行う指導援助の内容やそれぞれの役割分担を明確にする。

◎ 指導援助の方針(3)を受けて

養護教諭の協力を得て,学年の保健体育担当教諭を中心に指導援助をすすめた。保健の授業のなかで,次のような点に配慮した。

・ニコチンやタールの有害性を確認する。特に,若年期喫煙の有害性を強調する。

・他の疾病(成人病など)とのかかわりを指摘する。

・本人のみならず周囲の人への悪影響を指摘する。

・将来に向けての疾病予防や健康増進の点から,禁煙の重要性を指摘する。

6 まとめ

学年全体が一丸となって取り組んだ指導援助によって,A男らの喫煙行動は改善の方向に進んだ。喫煙の改善は容易でない場合もあるので,日ごろから健康教育の一環として禁煙教育をすすめることが重要である。これを機に担任とA男とのラポールは深まり,卒業後もA男は種々の相談のため担任宅を訪ねている。

喫煙の問題をもつ児童生徒への指導援助の留意点
○ 喫煙といえ問題行動だけにとらわれることなく,児童生徒の友人や家族関係,家庭環境といった,問題行動の背景や要因に目を向けるようにする。
○ 児童生徒に対しては受容的な態度で話し合いをすすめながら,気持ちは理解できても行為は認められないといった姿勢を大事にする。
○ 喫煙の問題は喫煙を媒介として複数の児童生徒がかかわり別な問題行動をひきおこしている場合があるので,問題の広がりに注意し全教職員の共通認識を図り,共通の指導援助を行うようにする。
○ 喫煙の問題は簡単に解決できない場合もあるので,健康を大事にするという立場で日ごろから禁煙教育を継続的に行うようにする。

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