福島県教育センター所報ふくしま No.112(H06/1994.10) -023/038page

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研 究 紹 介


算 数 科 に お け る コ ン ピ ュ ー タ の 活 用 に つ い て

〜少 な い 台 数 で の 活 用 方 法 〜

科 学 技 術 教 育 部 寺 岡 弘 之



1 研究の趣旨

社会の情報化の進展に伴い,情報手段を主体的に活用できる情報活用能力を育成するために,小学校においても平成4年度からコンピュータを教具として活用することを通して,コンピュータに触れ,慣れ,親しませる教育が行われてきている。

本県の現状を見ると,約63%の小学校にコンピュータが導入されているものの,1校当たりの台数は約4台と少なく,授業での活用方法などの研究が求められている。(平成5年5月現在教育センター調査結果)

そこで,「台数が少ないから授業では使えない」ということではなく,むしろ「少ない台数でも今から活用を図っていくことが,今後予定されている導入計画にも対応できることにつながる」と考え,算数科を中心にして,「少ない台数でのコンピュータの効果的な活用のあり方」を探っていくことにした。

2 研究の内容

学習指導要領における小学校段階でのコンピュータの位置付けや,算数科におけるコンピュータの位置付けとコンピュータによる学習の支援及ぴ援助のエ夫といったことを踏まえて,「少ない台数でのコンピュータの活用を推進するための教材ソフトの開発」を中心にして研究実践をした。

3 研究の概要

(1) 算数科におけるコンピュータの位置付けとその活用について

1. 問題(事実,事象)の提示

これまでの算数科の授業の導入の段階においては,児童の学習意欲を喚起させるために,児童にとっては身近なものなどを素材とし,OHP等を活用して具体的に問題を提示するように努めてきた。

コンピュータを教具として活用するということからすれば,コンピュータもOHP等と同じような活用の仕方があるが,連続して変化し続ける量の場合など,その様子を具体物でとらえさせることが難しい場面においては,コンピュータのシミュレーション機能を活用すると,その提示が可能になってくる。

こうしたコンピュータの活用は,児童の興味・関心をさらに喚起し,課題解決に向けての多様な発想を引き出すことにつながると考える。

2. 問題の解決の方法・手段

課題に対して,児童一人一人が自分なりの発想をもち,それを自分なりの方法で解決しようとするとき,その発想の多様性に応じて,具体物による操作はもちろんであるが,コンピュータの様々な機能を生かした活用ができる。


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