福島県教育センター所報ふくしま No.112(H06/1994.10) -026/038page

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は,マウスだけの操作で動物を囲む直線を描くことや囲んだ図形の外部を塗りつぷすことが簡単にでき,閉じた図形を実感させる(閉じていなければ色漏れを起こす)ことができるものである。

<3. 基礎的・基本的な内容の定着を図るための活用例>

≪単元名≫「三角形と四角形」(2年)(11/12)

≪ねらい≫ 学習内容の適用と習熟を図る。

ここで用いたソフトは,単元を通して学習した内容の定着を図るためのドリル的なものである。よく「コンピュータは導入されたが,使うソフトがないし,予算化もされていない」といった声が聞かれる。こうした現状を考慮し,それを少しでも解消することができればと考え,活用例 1.と同様にフリーソフトウェアである「KiTED」を用いて作成した。

この単元における基礎的・基本的な内容として,三角形の場合には,「三角形の定義」をしっかりとおさえさせる必要がある。それを踏まえて,次の問題を提示した。

三角形といえるかどうか

そして,提示した図形が三角形といえるかどうかの正否を答えさせた後に,次のステップとして,その図形を三角形といえるように描き直させる問題に移るようにした。これらの操作は2年生ということを考慮し,すベてマウスだけでできるようにした。

ただ,こうしたドリル的な活用となると,台数が少なくては活用することができないのではないかという疑問が生ずる。しかし,低学年の児童は学習進度の差が大きく,プリントの問題を与えても.すぐに解いてしまい,時間をもて余している児童も見られる。そこで,プリントの問題ができた順から,個別にでも二人組でもコンピュータに向かうようにすれば,少ない台数でも活用が十分図られると考える。

4 研究のまとめ

(1) 少ない台数で活用を図る場合には,活用例でも述べたように,コンピュータを教室内のテレビに接続して問題(事象)を提示したりするなど,OHP的な活用が有効である。また,シミュレーションなどのコンピュータのもつ優れた機能を生かした学習ツールとしての活用も効果的である。

(2) 台数が少ない場台には,環境面から生ずる制約があるが,活用する場面や学習形態を工夫することによって,効果的な活用ができる。また,一斉指導よりも個に応じるという,いわゆる個別指導への対応にも役立てることができる。そうした効果的な活用を図るためには,教師自身が,何よりもまず教材を見る目を十分に養っておくことが大切であるということを,この研究を通して再認識させられた。

※主な参考文献

・「小学校指導書(一般編)」文部省(ぎょうせい)
・「情報教育の手引」文部省(ぎょうせい)
・「べストを求める算数科授業研究」(明治図書)
・福島市立福島第四小学校研究紀要


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