福島県教育センター所報ふくしま No.112(H06/1994.10) -030/038page

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標行動に接近させていったので,最終的に,先生や友達の手助けがなくとも一人で着替えをすることができるようになった。

[形成化法・トークンエコノミー法による着替え行動の形成]

形成化法・トークンエコノミー法による着替え行動の形成

(3) S−M社会生活能力検査の結果から

S−M社会生活能力検査の結果から

○ 身辺自立の項目が特に良くなっており指導援助の効果があったと考えられる。

(4) ソシオメトリックテストの結果から

○ 学級の半数近くの子どもがM男を排斥していたが,約4分の1に滅ってきた。学級のみんなのM男に対する見方が変わり(「Mちゃんもやればできるんだ。」),学級の中でのM男の存在が認められつつある。

(5) 「連絡ノート」にみる母親の変容

○ M男が学校で頑張っている様子を定期的に知らせたことにより,母親のM男に対するほめ言葉や励ましの言葉かけが多くなり,各ステッブにおけるM男の行動改善が促進された。

V 研究のまとめ

1.成 果

○ 形成化法とトークンエコノミー法を併用した指導援助を行ったことによって,対象児童が目標に向かって意欲的に取り組む姿が見られるようになり,最終の目標行動である衣服の着脱の生活習慣が確立された。

○ 学級のみんなから認められる機会を設定した結果,対象児童に対する見方が改善されると共に仲間意識が高まり,孤立傾向が解消され集団生活に参加できるようになってきた。

○ 母親との連絡を密にしたことにより,不安を抱いていた母親の心の安定を得ることができ,家庭での基本的生活習慣の見直しについての共通理解が図られた。

2.今後の課題

○ 基本的生活習慣の形成を図るためには担任の指導援助だけでは不十分であり,家庭におけるしつけが必要である。さらに家庭との連携を深める効果的な方法を工夫していくことが大切である。

○ 形成化法とトークンエコノミー法によって基本的生活習慣が確立・保持されるためには,周囲の認めと励ましによるところが大きい。今後も思いやりを持って助け合いながら生活できるような温かい学級づくりに努める必要がある。

※参考文献

○ 新版 子どもの行動変容 東 正 川島書店
○ 行動療法 講座 サイコセラピー 内山喜久雄 日本文化科学社
○ 生活習慣についての相談 松原達也 ぎょうせい
○ 障害のある子についての相談 松原達也 ぎょうせい
○ 児童心理(生活習慣のしつけ) 金子書房

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