福島県教育センター所報ふくしま No.112(H06/1994.10) -032/038page
(2) 「読み比ベ」とは
何人かの友達の読みを比べて,よりよい読み方を考えさせる方法のこと。教師が何通りかの読み方に気づかせ,どの読み方が場面にふさわしいかを追求する。
(3) 「役割読み」とは
役割を決めて会話文を読むこと。お互いの読み方を聞き合う中で,人物の気持ちが表れるような読み方を工夫することができる。
(4) 「動作化」とは
物語の一場面を実際に身体で表現すること。1年生の児童は,言葉の意味を文脈の中で,より正しく理解していくために身体を使って体験的に表現していくことは効果的である。
(5) 「自己評価」とは
場面ごとの読みのめあてを明記したカードをもとに,児童が自分の読みを評価すること。授業の感想等を書くことにより達成状況や情意面の評価をすることができる。
III 検証授業の実際と考察【検証授業2】
1.題材名「くじらぐも」(7/14)
2.本時のねらい
くじらぐもに飛び乗ろうとする子供たちと,それを応援するくじらぐもの様子を想像して読み,場面と一体となった読みができる。
3.学習過程
4.指導の結果
(1) 動作化はグループごとに,くじらぐも,子供たち,地の文,観客に分け交代しながら行った。それぞれの位置関係を考えながら,意欲的に取り組む姿が見られた。
(2) くじらぐもの絵を掲示したことは場面と一体となった読みを工夫させるうえで有効であった。
(3) 相互評価では,友達の発表の良い点に着目させるようにしたが,一定の児童に限られてしまいがちで,自分の読みに生かすまでにはいたらなかった。