福島県教育センター所報ふくしま No.112(H06/1994.10) -033/038page
5.結果の考察
(1) 事前テスト,事後テスト,肥持テストの結果
事前テスト(点線)
事後テスト(細実線)
肥持テスト(太実線)(2) 自己評価について
資料1
資料2
平均数値が,5段階評価で4.7ということから,ひとり一人の児童が読みのめあてに向かって意欲的に取り組み,高い成就感を味わう事ができたものと考えられる。特に役割読みや動作化は,児童の表現意欲を十分に満たす事ができたことが自己評価カードと児童の感想からわかる。(資料1 資料2)
6.結 論
(1) 音読を中心にすえた授業を展開することにより,会話文の読み方を手がかりにして,人物の気持ちや場面の様子を想像しながら自分なりの読み方を工夫することができた。また指導計画の中に音読の基礎練習の時間を確保することにより,口を十分に開けてはっきりした発音で読むことができるようになった。
(2) 学習過程の中に,読み比べや役割読み,動作化を取り入れ,会話文の読み方を工夫することにより,児童は楽しさを味わいながら,場面の様子を想像豊かに読むことができた。
(3) 自己評価は,場面の様子にふさわしい読み方を意識して読むためには有効であることがわかるが,児童の発達段階を考慮するならば,教師のより具体的な賞賛の言葉や友達同士の相互評価が,児童の意欲を喚起するうえで,大切な要素になるのではないかと思われる。
(4) 絵に向かって動作化したり,くじらぐもや1年2組の子供たちに手紙を書いたりすることにより,児童は物語の世界に入り込み,想像豊かに読むことができた。
IV 反省と今後の課題1.想像豊かに読む力を育てていくためには,理解したことを音読によって表現したり,表現することによって文章の理解を深めたりする相互作用のある学習活動を今後も工夫していく必要がある。
2.児童の学習意欲を高めるための学習形態の工夫などについて,今回の研究実践を生かし,継続してい研究していく必要がある。