福島県教育センター所報ふくしま No.114(H07/1995.3) -021/038page

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連載コーナー

あ な た も カ ウ ン セ ラ ー

−問題行動をもつ児童生徒への指導援助−

教 育 相 談 部

111号 万引きの初期の段階音こおける指導援助
112号 喫煙の問題をもつ児童生徒への指導援助
113号 性の問題をもつ児童生徒への指導援助
114号 学級内でのいじめの問題に対する指導援助

 いじめは,自分より弱いものに対して,身体的,心理的な攻撃を一方的に,継続的に加える行為であり,しかも,攻撃を受けた子どもが深刻なまでに苦痛を感じていることを言います。

 このような行為は,昭和60年前後から,全国的に関心を集めるようになりましたが,最近は,特に「いじめ」を苦にした自殺など,衝撃的な事件が相次いで発生しておりいじめは一層深刻化し,憂慮すべき問題となっています。

 文部省の統計によれば,昭和60年度を境に,いじめ件数は減少し,ここ数年,校種別には多少の増減はありながらも,横ばい状態にあります。しかし,いじめは表面化しにくいケースが多く,巧妙化,陰湿化の様相を示し,潜在的にはむしろ増えているとも指摘されるほどです。

 右図は,いじめ発見の端緒を示したものですが,「学校がいじめをどのようにして知ったか」について,「担任の教師が発見」が一番多く,次いで「いじめられた児童生徒からの訴え」「保護者からの訴え」の順となっています。

いじめの発見の端緒
いじめの発見の端緒

 この図は,いじめ問題の解決を図るのに教師の存在が極めて重要であることを示していると思われます。それゆえ,教師によるいじめの重大さの認識と適切な対応,教師による生徒相互の人間関係の育成,生徒の小さなサインをも見逃さない教師の感性の発揮など,いじめ問題の解決に向けた教師の指導性がより適正になされていくことが望まれます。

 本号では,「いじめ」を受けた小学生への指導援助の事例を紹介することにします。


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