福島県教育センター所報ふくしま No.114(H07/1995.3) -025/038page
研 究 紹 介
中学校における情報教育の在り方を求めて
科学技術教育部 青 田 誠
渡 部 淳 一
鈴 木 昭 夫I 研究の概要
当教育センターが県内全公立学校を対象に実施している情報機器活用状況調査やその他の諸調査を基に中学校における情報教育の現状と課題を分析した。
その結果,中学校におけるパソコン活用状況は,特定の教科,一部の教師に片寄る傾向が見られた。これを改善するには,各学校において,パソコンを学校教育全体でどのように活用していくかという組織的,かつ総合的な取り組みをすることが必要である。また,授業での活用を推進するには,教材作成支援や教材そのものとしてのソフトウェアの充実が望まれる。
さらに,学校に配備されているソフトウェアは,校務処理で使用することが多い表計算,ワープロ等が,ほば90%普及していることから,これらのソフトを授業で活用していく方策を考える必要がある。
本研究は,このような必要性を認識し,本県のK中学校と連携して,学校全体としての情報教育への取り組み方を研究したものである。
II 研究の実際
K中学校における情報教育への取り組み方の内容として,次の4つをあげた。
・情報教育推進のための校内研修
・授業におけるパソコン活用
・生徒のリテラシー向上のためのパソコン活用
・情報活用能力の変容
1 情報教育推進のための校内研修
情報教育の推進が,教師に違和感や負担感を生じさせないよう,校内の既存の組織,研修体制を生かした。そのために,
(1) 教育センターがパソコン活用のための「助言・援助」を学校と連絡,調整をとりながら行えるようにした。
(2) 情報教育の研究が突出しないよう,研究課題を既存の現職教育計画の中にサブテーマという形で位置付けた。
[研究主題]
学校環境を効果的に生かした個性化教育の在り方
〜コンピュータの効果的な活用を通して〜
(3) 研修は,授業研究会を中心とし,より実践的な研修ができるようにした。
(4) 教育課程の年間計画の中に,毎月1〜2回のパソコンを中心とした研修会や授業研究会が実施できるよう位置付けた。
2 授業におけるパソコンの活用
(1) 環境(人的・物的)の整備
1.(丸囲み) 人的環境
K中学校の教師のほとんどが,パソコン