福島県教育センター所報ふくしま No.114(H07/1995.3) -026/038page
に対して初心者である。授業での積極的な活用を図るには,教師のリテラシーを向上させ,活用意欲を高揚させなければならない。そこで,現職教育委員会を中心とした校内研修の一貫として,「学習指導,活動を支援するためのパソコン活用」の講習会や教材作成講習会を実施した。また,授業研究会を通じて活用方法についての指導・援助を行った。
さらに,校内研修の推進にはリーダーシップを発揮する人材が必要であるとの観点から,研究主任がセンターの講座を受講し,また,必要に応じてセンターと連携を取りながら学校でリーダーシップが発揮できるよう体制を整えた。
2.(丸囲み) 物的環境
K中学校のパソコン(ハードディスクなし)は,生徒2人に1台の割合であるが,2機種混在である。このため使用するにはソフトの面など,いくつかの制約がある。このような状況の中でパソコンを活用するため次のような対応を行った。
ア 互換性を重視したソフトの活用
異機種間でのデータの互換性を考慮して,FCAIを使用し,授業での活用を図った。活用にいたるまでの方法として,K中学校の教師から活用のアイデアを出してもらい,センターでその基本形を作成し,学校側で完成させて活用する形態をとった。(例:英単語検定試験用の自己学習ソフト)
イ 普及している市販ソフトの活用
ほとんどの中学校に普及している表計算ソフトやワープロソフトの活用を図った。K中学校に対しても,センターで開発したマクロや活用のアイデアを提供した。
ウ フリーソフトの活用
教育効果が期待できるものであれば,フリーソフトを使用することも意義のあることと考え活用した。
(2) 授業の実際
K中学校では,研究主題を達成する一つの手段としてのパソコン活用に主眼を置いて授業研究に取り組んだ。
○選択数学の例(3年:資料の整理)
自ら集めた資料をパソコンを用いて処理し,資料間の関連性を考察させた。○理科の例(3年:運動とエネルギー)
実験データを表計算ソフトで短時間で処理することにより,考察の時間を十分に確保することで思考の場を深めた。○国語と英語の合科授業(2年:詩の創作)
T・T方式により詩の創作,英訳そしてワープロソフトで.作品の完成を目指した。3 リテラシ一向上のためのパソコン活用
教育活動の中で,パソコンの基本的な操作能力の育成を図る場と時間を確保することは難しい。しかし,学校全体でそのような時間を生み出し,意図的・計画的に推進