福島県教育センター所報ふくしま No.114(H07/1995.3) -031/038page
○ アンケートI・IIの結果から
Y子は,6つの項目も平均よりも下回り,不適応状態も顕著にしめす。
(2) 調査の結果分析から指導計画作成と指導対象生徒の抽出
1.(丸囲み) 指導援助A
アンケートIの結果から次の4つの項目『所属と愛情』・『自己理解』・『自尊』・『将来への向上』の指導が必要と考えられた。
また,アンケートIIから,学級全体に学校不適応感もあるので,その改善にむけて,グループ・エンカウンターのエクササイズ・メニューを下記のように作成した。
【項 目】 ⇒ 【エクササイズ・メニュー】 所属と愛情 ⇒ 人間関係づくり 自己理解 ⇒ 自己発見・自己開示 自 尊 ⇒ 自分の長所 将来への向上 ⇒ 自分の目標と価値 2.(丸囲み) 指導援助B
アンケートI・IIの結果から,初めか ら学級集団そのものに不適応をおこして いて指導援助Aが困難な生徒がいる。
この場合は,教師は問題のある生徒に 対してカウンセリングを実施する。
○ アンケートI・IIからの抽出生徒 Y子
学習成績は上位であるが,過去には相手のことを考えずに自己主張し,クラスメイトから受け入れられないこともあった。Y子に対しては,個別にカウンセリングを実施し,集団活動への参加を促す。
(3) 学級集団に対してグループ・エンカウ ンターによる指導援助
☆指導援助A(学級活動・道御寺に実施)
グループ・エンカウンターのエク ササイズ・メニュー
○人間づくり 1. パートナー紹介 <所属と愛情> 2. 探偵ごっこ 3. ブラインド・ウォーク ○自己発見 4. 「私」との対話 <自己理解> 5. インタビュー 6. 自己投影ゲーム ○自己をみつめる 7. 思い出を語ろう ・・・ 以上のように20のメニューにしたがって, ひとつのエクササイズあたり20〜30分の 時間をかけ学級全体へ実施した。
ねらい 「私は何者か」をつかませる演習で、学期の初めと終わりに行うことによって、
どのように自己概念(自己像)が向上したかを知る。
また,自分以外の人のいろいろな反応を知る.
手順 ア.下記の表から適当な事項を選び,質問用紙をつくる。
イ.十分時間をとり,質問用紙に記入させる.
ウ.時間がある場合は、生徒の了解を得て,回答のうち,
項目5II等を公開して,それが誰かをみんなであてる。
解答用紙を無作為に一枚抜き出し,「質問5『自分が
どんな人間かを表す三語』の答を読みますので,その人
が誰であるかあててください。わかったら手を上げて下さい。」
エ.エクササイズ終了後に話し合いを持つ。
1.名前2.年齢3.誕生日4.住所5.自分がどんな人間か一番よく表す言葉6.十年後の自分 7.放課後や週末の過ごし方8.暇な時にしていること9.尊敬している人10.親友と自分の共通点 11.趣味・特技12.好きなテレビ13.学校に対する感想14.人生の目標15.好きな言葉 留意点 ア.学年末に同じものを実施し,自分の考え方の変容に注目させる。
イ.質問に対するいろいろな反応を自分以外の人をわかちあわせる。
ウ.質問は,できるだけ抵抗なく回答できる質問にし、徐々に生徒
の人間性の深部にせまる質問になるように構成する。