福島県教育センター所報ふくしま No.115(H07/1995.7) -009/042page

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子どもが本当に学ぶ(変わる)ことにつながり, それが自然に書きたい気持ちを高め「書くこと」 へ誘なう−こんな思いや願いを込めた実践であっ た。

 この「養護学校との交歓会で体験した事実を作文に書く,自分を見つめる」学習の中で,「考えたこと,感じたことをはっきりさせて書き,書くことによって一層自分の考えを深めること」「主題のよくわかる文章を書くこと」「どこをどのように書くかを工夫すること」など指導する内容を明確にし,交歓会の計画・準備を子どもたち自身で進められるようにした。

 指人形,紙芝居,劇などを計画した子どもたち は,養護学校の子どもたちは音楽に敏感だと聞く とBGMの選曲にもいかにも子どもたちらしい細 やかな心配りをして取組む。

 交歓会は子どもたちのこれまでの生活で体験できなかった大きな驚きと感動につながった多くの出会いがあり,一人一人の子どもたちが大きく心を揺さぶられる一日となった。

 この体験学習で学んだことを「書く活動」で子 ども一人一人は,自分が書きたいことを迷わず一 気に書いた。「書きたい」「書かなければ」「書 いておかなければ」と思う強い気持ちの盛り上が り。自分の気持ちの高まりの要因になっている自 分の目で見た事実と場面に裏打ちされた書くこと への意欲が書く喜びに代わり,普段作文を書きた がらないM君が原稿用紙5枚,0子も9枚もの長 い作文を一気に書きあげる力をつけた。

(2)雨の中の「まちたんけん」
           (小学校2年一生活科)

 生活科の研究指定校としてN校は生活科誕生の 趣旨をしっかり受け止めて,活動を通して学ぶこ とを子どもたち自ら実現できるような生活科の授 業作りに懸命であった。何度か授業を参観してい くうち,授業者の単元に寄せる思いや願いも,研 究の進展に添って理解できるようになった。

 それは,生活科研究発表会当日のことであった。 2年生は,学習の計画に基づいて「まちたんけん」 を予定していたが,思ってもみない激しい雨降り となった。授業者であるB教諭の胸のうちを察す るに余りある。授業者ばかりでなく,校長、教頭, 全職員が善後策をどうするか協議した。

 「雨降りでも今日の『まちたんけん』への子どもたちの思いや願いを何とか実現させてやりたい」「そのために指導体制作りも考えてきたし,これまでの指導で,雨の中での活動でも何とか協力し合い,それぞれが予定しているたんけんができる態度に育っていると信じたい。」という授業者の願い通り雨の中の「まちたんけん」となった。

 「あいにくの雨だけど,みんなの考えた『まちたんけん』に出かけましょう」という担任の話を聞いた子どもたちの歓声,そして,緊張した面持ち。喜びと共に引き締まる心のうちが読みとれる。

 雨に備えて子どもたちが自分で用意してきた長 靴,雨合羽,そしてその子らしい思い思いの身じ たくで元気に「たんけん」に出ていく生き生きし た姿。それを見守るB教諭,引率補助の先生方。 そして,研究会に参加された多くの参加者が,子 どもたちの後になり,先になりして子どもの活動 の様子を見届ける。雨は確かに子どもたちのカー ドや髪や手,足をぬらしたが,子どもたちの学習 活動にとって何一つ支障ないものだった。

 「たんけん」終了の時間となって,教室に戻っ

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