福島県教育センター所報ふくしま No.115(H07/1995.7) -024/042page
あとは同じ方法で音読が行われていないか。
3 音読のねらうもの
音読のねらいは,音声と文字,及び意味の結びつきを確認することである。音読の際の音調や,区切り,強勢などが適切であれば,内容の理解が伴っていると考えられる。英語らしい発音,リズム,イントネーションを生徒に身につけさせるためにも大切な活動である。
しかし,音読には「文や文章の内容を理解して,その内容が表現されるように音読する」というさらに上の目標があり,表現力の基礎を養うには欠かせない活動なのである。
そこで音読に対する生徒の意識を高め,「内容が表現されるように音読する」という目標を達成する手段として,『生徒が教科書の対話文の話し手を自由に決めたうえで,その対話がどういう場面や状況の中で行われているかを設定して音読する活動』が効果的であるかどうかについて考察する。
4 研究の方法
この活動では,次のような具体的で取り組みやすい課題を与える。
教科書の対話文はマイクや健,由美などが主人公である。彼らの会話をより現実的なものにするために,生徒は,教科書の話し手を「クラスメートと自分」であるとか「母とわたし」,あるいは「弟と僕」のように決める。あるいは,場面や状況を「今,口論している」とか「こそこそ秘密の話をしている」などと設定し,そのニュアンスや感じがでるように読むのである。
その際,対話の行われているsituationをより クリアなものにするために,自分たちのオリジナ ルな文を付け加えて(いわゆるプラスワンダイア ログの手法)発表するように指示をする。
次に生徒用ワークシートについて述べる。
点線で囲まれている本文の行と行の間のスペースに,自分たちで考えた文を書き加え,「工夫した点」のところには,発表するときに工夫したことを記入する。
発表を聞いている生徒は,下の「いいとこさが そうカード」の評価項目に沿ってその発表を評価
いいとこさがそうCARD 1年 組 番 氏名
DATE
MEMBERS OF THE GROUP
項目
すごくいい◎ いい○
・場面の設定がいい ・チームワークがいい ・感情がこもっている ・英語らしい発音である ●総合的に評価すると 5−4−3−2−1 全体的感想は?自由に書く