福島県教育センター所報ふくしま No.115(H07/1995.7) -025/042page

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する。コミュニケーションへの意欲を育てるため にも,「いいところを積極的に評価する」ことを 生徒に理解させ,クラスの雰囲気を良くしたい。

5 実践授業

 授業は,平成7年1月12日,富岡第二中学校の 1年生2クラス,計68名の生徒を対象に行った。 題材は,“Lesson 11 昨日,何をしたの” であり,笠井淳一教諭に指導を依頼した。

(1)場面設定について

 生徒に次のような具体的指示を与えた。
 1.配役を決めよう。
 2.状況を設定しよう。
 3.その状況に合う1文を付け加えよう。
 4.相手の目を見て言えるように練習しよう。
 5.聞いている人はいいところを見つけよう。

教師から場面や人間関係など、いくつか例を提示したが、生徒たちは意欲的に自分たちのオリジナルなものを考案した。次にいくつかの例を紹介する。

《場面》
 ・野球の試合を見ながら・学校の休み時間
 ・コンビ二ストアで  ・学校の帰り道
 ・恋人同士が公園で、その他
《人間関係》
 ・友達、クラスメート ・昔の友達
 ・刑事と犯人(パトカーの中で)
 ・ドナルドとミッキー
 ・兄と弟、姉と妹、その他

 おもしろい場面を考えるあまり、時間がかかりすぎるグループもあった。今後生徒から出されたアイディアを累積し、そこから選択させるなどの工夫も考えられよう。ただし、「いいものを作ろう」とする生徒の前向きな姿勢は、学習意欲のあらわれとして大切にしたい。 

(2)練習について

練習風景写真

 場面や状況にあった文の作成にあたっては,生 徒各自に,和英・英和辞典を活用させた。練習の 最中に,新たに文を付け加えたり,修正するグル ープもあった。付け加えられた文のパターンは, 次の通りである。
 ・最初にあいさつを入れる。
 ・別れのあいさつをいれる。
 ・スポーツ名や場所をかえる。
 ・Howaboutyou?などと聞き返し,話を発 展させる。

 練習においては場面設定での話し合いが具体的 であればあるはど,短時間で効率のいい練習がで きるようである。

(3)発表について

 発表は,1グループにつき,移動や準備を含め て1〜2分である。進んで発表しようとする意欲 的な取り組みが多く見られた。発表後に,聞いて いる生徒から「全体的な感想」を最低でも一人か ら聞くと,1発表につき4分が必要となる。発表 者は級友や教師からのコメントを,心配しながら も楽しみにしているようである。このような発表 に対するフィードバックの場を大切にしたい。

 次は,「いいとこさがそうカード」にあった「全体的な感想」のコメントの抜粋である。


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