福島県教育センター所報ふくしま No.115(H07/1995.7) -026/042page
評価の際は,「いいところを見つけよう」とす る姿勢が見られ,指導者の意図がよく理解されて いた。5,6の感想に見られるように,発表者が 次の学習の目標をもてるようなコメントは意義深 い。
6 考察
授業の事前と事後に,生徒にいくつかの項目に 関してアンケート調査をしているので,その変容 について説明したい。
最初は,教料書の本文を読むときに「登場人物 の気持ちになって読むか」という質問である。
「登場人物の気持ちなって読む」生徒の数が 増えている。また、これに関連した次の2つの質 問に対する生徒の回答は、次の通りである。
場面を考えて音読する
内容が伝わるように音読する 音読がめざすべき望ましい方向への変容が見て取れる。また,生徒の感想からも,音読が表現力を育てるのに,有効であることを実感していることがわかる。
この活動は,場面や人間関係を設定するという 性格上 対話文形式の題材において実施すること が望ましい。単発的な指専に終わらず,継続して 指導するためにも,活動に適した題材を選択し, 年間指導計画への位置づけを図りたい。また,場 面設定から,練習,発表までペアやグループでの 活動が主になるので,リラックスして取り組める クラスの雰囲気を大切にしたい。クラスルームイ ングリッシュの多用に心がけたり,話し合いの仕 方や発表のしかたなど学習の約束事を徹底するこ とにより,より大きい成果が期待できるであろう。
7 おわりに
生徒は一人一人個性的な発想や体験をもっているものである。それらをうまく引き出すにはそれなりの指導の工夫が必要である。打ち合わせのとき自分の発想を認められたうれしさ,発表のとき外向的な性格が役立ちみんなに評価された喜び,あるいは適切なアドバイスによって得た信頼感などがバネになって次の目標に向かって前進していくものと考える。