福島県教育センター所報ふくしま No.115(H07/1995.7) -028/042page
表1 コースアウトラインの構成
大項目 中項目 小項目 基本コース 0 オームの法則 回路の規則性 1.オームの法則 2.回路での電流 3.回路の全抵抗の求め方 初級コース 1 抵抗1つの回路 1.抵抗を求める 2.電圧を求める 2 抵抗2つの直列回路 1.回路全体の抵抗を求める 2.1つの抵抗を求める 3 抵抗2つの並列回路 1.1つの抵抗に流れる電流の強さを求める 2.回路全体を流れる電流の強さを求める 3.回路全体の抵抗の大きさを求める 中級コース 1 抵抗3つの直列回路 1.回路全体を流れる電流の強さを求める 2.各抵抗にかかる電圧を求める 2 抵抗3つの並列回路 1.1つの抵抗にかかる電圧を求める 2.各抵抗に流れる電圧の強さを求める 3.回路全体に流れる電流の強さを求める 上級コース 1 直列・並列組み合わせ回路-1 1.抵抗に流れる電流の強さを求める(3つの抵抗の大きさが同じ場合) 2.抵抗の大きさを求める 3.直列につながれた抵抗にかかる電圧を求める 2 直列・並列組み合わせ回路-2 1.各直列部分を流れる電流の強さを求める 2.回路全体に流れる電流の強さを求め 3.回路全体にかかる電圧の大きさを求める 4.各抵抗にかかる電圧の大きさを求める 3 直列・並列組み合わせ回路-3 1.回路全体の電圧(電源電圧)を求める 2.直列部分に流れる電流の強さを求める 3.回路全体に流れる電流の強さを求める 3 学習記録分析ソフトウェアの開発
(1)表計算ソフトウェアを活用しての開発
FCAIシステムで作成したソフトウェアを実 行すると,以下のような内容を含んだ履歴ファイ ルがテキスト形式で実行ディスクに作成される。
- フレーム番号
- フレームタイプ:E:Q:K:E
- 正誤記号:C,W,Nなど
- 最初から経過時間:秒
- 応答時間:秒
- 入力文字:キーボードからの入力文字列
これらの中から必要な項目を抽出したり、集計 した結果をグラフにしたりするのに、表計算ソフ トウェア(Lotus1−2−3)を用い、マクロ機能 を活用し、初心者にもメニューを選ぶだけで簡単 に活用できるようにした。
なお、このソフトウェアは、FCAIシステム で開発した、すべての学習ソフトウェアの学習記 録を分析するのに利用できる。
(2)学習記録分析ソフトウェアの分析の種類
学習履歴ファイルを取り込んだディスクをパソ コンに入れ,学習記録分析ソフトウェアを起動さ せるとメニュー形式で,分析・処理内容を選択す ることができる。そのメニューの分析・処理内容 については,表2の通りである。
4 CAl学習ソフトウェアの試行
CAI学習ソフトウェアを2つの中学校の2・ 3年生で試行をし,実践後アンケート調査をした。 そのアンケートの結果は,表3のようになり, 『パソコン画面の見やすさと分かりやすさ』『学 習意欲や積極的態度』『パソコンでの学習に対す る興味・関心』などすべての項目について4以上 の高い評価を得ることができた。
また,“間違えたところやわからない所の解説 もしてくれるので学習内容の細かい所まで身につ けることができた。”などの感想が多いことから, 基礎・基本の定着を今まで以上に図ることができ たと考えられる。
表2 学習記録分析ソフトウェアメニューの内容
入力・一覧表 このメニューを選ぶと,各生徒の履歴ファイルの一覧が表示されカーソルで任意の生徒の履歴ファイルを選択することができる。 FT図 FT図(Frame-Time diagram)は,縦軸にフレーム番号,横軸に経過時間を取り,各生徒の学習進行状況をグラフにしたものである。 FTS図 FTS図(Frame-Time Student diagram)は縦軸にフレーム番号,横軸に経過時間を取り,生徒個々のデータを重ねて表示したものである。(集団記録分析用) FR図 FR図(Frame-Response diagram)は縦軸に応答時間,横軸にフレーム番号を取る。内容の困難なフレームほど,応答時間が長くなる。これらをフレーム番号順に並べていくと,グラフに山,谷が表れる。 FRS図 FRS図(Frame-Response time diagram)は,フレーム番号(F),応答番号(R),生徒(S)の3つの変数を2次元の座標に表した図である。(集団記録分析用) 問い合わせ Lotus1-2-3の問い合わせ(検索機能)を生かして主に誤答分析をするために設定したものである。 印刷 問い合わせた内容の一覧表を印刷する。 フレーム参照 任意のフレームの裏画面(テキスト画面)を表示し,確認できるようにしたものである。 終了 マクロ機能を終了する。