福島県教育センター所報ふくしま No.115(H07/1995.7) -037/042page
資料1 説明的文章についてのアンケート (2)学習活動に対する意欲と達成度の自己評価(5段階評定)
資料2 単位時間毎の意欲と達成度の変容(数値は,5段階評定の平均値)
段階 時 評価項目 意欲 達成度 学習計画 1 内容のおおよそをを理解し,感想を書く。 4.1 3.6 新聞記事の一般的な構成を理解する。 4.4 4.3 トップ記事の下書き 2 グループで疑問点を分類・整理する。 4.4 4.3 各段落の中心的話題を捉える。 4.3 4.3 3 中心的話題以外の疑問点を解決する。 4.3 4.4 4 中心的話題に関する疑問に対応させて要約する。 4.4 4.1 主張の下書き 5 要旨をおさえ,自分の考えをまとめる。 4.3 4.1 グループで話し合い,考えを深める。 4.5 4.3 話し合いの成果を生かして主張をまとめる。 4.3 4.2 新聞作り 6 自分の計画に沿って新聞作りを進める。 4.6 4.2 7 納得できる新聞を完成させる。 4.8 4.5 鑑賞 8 作品を見比べて,評価し合う。 4.9 4.6 IV 考 察
(1) 説明的文章の学習に対する興味・関心を高めるうえで、新聞作りは学習目標として有効であったか。
「資料1 説明的文章についてのアンケート結果」により、12項目の全てにわたり説明的文章の学習に対するイメージが好転していることがわかる。特に、自主的に学習を進めることによって、よく努力し、学習に対する満足感が得れたことが顕著に表れている(項目10,5,6,2)。また、生徒中心で学習が進められたにも関わらず,よくわかったという実感も得ている(項目9,4)。次の事後の感想からも,成就感を感じながら,主体的に学習に取り組んだことがわかる。
- 今までの説明的文章の授業と違い,自分で進んで理解を深めること ができたので,新しい発見をしたときの喜びが大きかった。
- 何回も読んだり書いたりしたので普段よりも内容がよくわかった。
- 自分で調べると真剣に取り組めて理解しやすい。こんなに考えたこ とは今まではあまりなかった。
今後もこのような説明的文章の授業をやりたいという声も多く,新聞作りは学習目標として有効性が高いと言える。
(2) 生徒の内発的な学習意欲を喚起し,主体 的に読解学習に取り組ませるうえで,課題 提示や学習内容は適切であったか。
「資料2 単位時間毎の意欲と達成度の変容」を見ると,全体平均は,意欲が4.1 〜4.9,達成度が3.6〜4.6と比較的高い価で安定している。しかも,6時間目の新聞作りに入ったあたりからは尻上がりに値が上がっている。
教材の読解としては,課題解決学習の形を取ったが,新聞作りという目的意識があったため,興味・関心,意欲が持続し,書く作業が多かったにも関わらず,主体的に取り組むことができたのではないかと推測される。
- 最初は新聞作りなんていやだったけど,やってみると案外楽しかった。
- 今まで説明的文章の授業はめんどうだったと思っていたが,今回の授業はとても楽しかった。
- 新聞作りなど自分には無理だと思ったけど.手順通りにやったらよい新聞ができてうれしかった。
と感想にあるように,授業が進むにつれて意欲が高まった生徒もいる。授業中,繰り返し文章を読み返したり,環境問題について調べたりしながら書く作業に没頭する姿はその意欲の表れだったと考える。
(3) 読解能力の伸長は認められたか。
生徒のワークシートの記述,または完成した新聞の記述を検討すると,重要語句の