福島県教育センター所報ふくしま No.116(H07/1995.11) -008/042page
3 国 語
- ※ この調査結果は,本数育センター学習指導部において,平成7年7月に実施した「本県の小学生の学習に対する意識と行動」によるものである。
- これは,本県の小学生の学習に対する意識と行動の実態を探るため,県北地区の4年から6年の小学生889名(信頼度93.8%)を対象に,「国語」と「算数」を調査教科として実施したものである。
- なお,「上位児」「中位児」「下位児」については,前年度の小学校児童指導要録のその教科の評定(3段階)から,3の児童を「上位児」,2の児童を「中位児」,1の児童を「下位児」とした。
入学したばかりの児童は,まず平仮名を学び, 「これ読めるよ」とか「〇〇君の名前が書けた」 など,読んだり書いたりできる喜びを満面の笑みで表しながら国語を学び始めていく。こうした学ぶ喜びはその後も持続されているのだろうか。国語の学習に対して,児童はどのような意識を持ち, どのような学習行動をとっているのか探ってみたい。
(1)国語に対する好き嫌い
「好き」「どちらかといえば好き」という肯定 的な受けとめ方は,学年が進むにつれ,少なくなっている。
国語の学習に対する好き嫌い 4年から6年の全体では,「好き」「どちらか といえば好き」を合わせて66.2%である。学年 別に見てみると,「好き」「どちらかといえば好 き」を合わせた数値は,学年が進むにつれ,次第 に減っている。
次に,「好き」「どちらかといえば好き」と選択した児童を,国語の成績との相関で見てみる。
「好き」「どちらかといえば好き」 学年が進むにつれ,上位児も中位児も少しずつ低くなっているが,下位児では急激に低下していることがわかる。
では,児童は国語がいつ好きになったり嫌いに なったりするのが多いのだろうか。4年生から6 年生を対象にした調査結果から見てみる。
好きになるのは1年,嫌いになるのは3年
好き(嫌い)になった時期(4〜6年) 好きになる時期としては,1年が最も多く,国語の学習の始まりが好きになる契機になっていることがわかる。嫌いになる時期としては,3年が最も多く,3割を越えている。これは,3年で習得する漢字の数が多くなったり,語彙が難しくなったり,文の長さが長くなったりするからなのであろうか。原因を明らかにすることはまだできないが,今後,究明していかなければならない。