福島県教育センター所報ふくしま No.116(H07/1995.11) -010/042page
友達の考えを知って考えがかわった(4〜6年)
友だちの考えを知って,自分の考えが変わった とする児童は,「なんどもあった」「ときどきあっ た」を合わせて69.5%になる。それを国語の成 績との相関で見ると,上位児・中位児の順に多く, 下位児においては約半数となっている。
友達の考えを知って自分の考えが変わった(4〜6年)
以上から,友だちと考えを交流することが自分の学びとなることを経験しているものの,自信がないため発表や質問をしていないという児童の姿が浮かび上がってくる。
今後はさらに,児童が自信を持って発表や質問 をすることができるよう指導を工夫し,学びの機 会が多くなるようにしていく必要がある。
(4)作文を書く際の意識
児童は作文を書くときに,主題(要旨)・構成・推敲について,どのくらい意識しているのだろうか。調査では,家で作文を書く場合という設定で行った。
主題(要旨)・構成・推敲に対する意識が低く なっている。
作文を書くときの意識(4〜6年)
「いつもする」と「ときどきする」を合わせた 数値を見ていくと,書き終えてからの「きちんと 書けているか読み返す」は74.8%で三つの中で 最も高く,書き始める前の「組み立てを考える」 は,56.1%と最も低い。「書きたいことの中心 を考える」64.9%である。
これらを学年別に見ると,下の表にあるように, いずれも学年が進むにつれ順次低くなっている。
設問項目 4年 5年 6年 中心を考える 68.3 66.6 59.6 組み立てを考える 64.3 59.3 44.2 読み返す 84.0 78.3 72.4 (%) 作文を書くときの主題(要旨)・構成・推敲に対する意識が次第に形成されるめではなく,失われていく姿が伺える。児童の作文に対する抵抗感をなくし,作文を書くときの主題(要旨)・構成・推敲に対する意識を減退させないよう育てていくことが必要である。