福島県教育センター所報ふくしま No.116(H07/1995.11) -012/042page
「算数に対する好き嫌い」は,「好き」「どちら かといえば好き」と答えた児童は,全体で61%で あり,学年別では次の通りである。
4年・・・73% 5年・・・56% 6年・・・53% 学年が進むにつれて,「算数嫌い」な児童が増えてくる。
では,児童は「いつ」「どのような理由」で好 きになったり,嫌いになったりするのだろうか。
好きになるのは1年・嫌いになるのは3年
好き(嫌い)になった時期
上のグラフから,好きになる時期が1年,嫌い になる時期が3年と答えた児童が最も多く,それ ぞれ3割を占めている。
小学校3年生で算数嫌いになる児童が最も多い ことは,前年度実施した『中学生の学習に対する 意識と行動』の調査でも明らかになったことであ るが,なぜなのだろうか。
記述による回答は次のようになっている。
○「好き」になった理由 計算ができる 40% わかる・できる・楽しい 37% ○「嫌い」になった理由 難しい・意味が分からない 48% 計算が苦手 35% 記述による回答によれば,好きになったり,嫌 いになったりする理由に,どちらも計算の学習が あげられている。また,算数嫌いが最も多いのが 3年生であることと合わせて考えると,3年生以 降に学習する四則計算が,好き嫌いの主な理由と 考えられるのではないだろうか。
3年生では,乗法九九を用いて,2位数や3位 数に1位数及び2位数をかける乗法を学習する。 また,3年生で除法を学習し,4年生までに整数 の四則計算を完成させることになっている。児童 にとっては,確実にこれらをのりきるかどうかが 重要になっているのではないかと考えられるが, 今後明らかにしていかなければならない。
(3)下位児の意識と行動
授業の中で,児童はどのような意識を持っているのだろうか。また,自主的な行動がとれているのかどうかを探ってみよう。
わかるまでがんばろうとした(4〜6年)
授業中の「わかるまでがんばろうとする」意識は,上位児,中位児と比べ,下位児は低く落ち込んでいるように思える。しかし,見方を変えれば下位児の58%が「わかるまでがんばろうとした」と回答していることは,注目に値する。