福島県教育センター所報ふくしま No.116(H07/1995.11) -013/042page

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 では,下位児の授業中(後)における行動はど うなっているのだろうか。授業中や授業が終わっ てから,わからないところを質問するかどうかの 行動を調査したものが,下のグラフである。

わからないところを質問するかどうか

 7〜8割の下位児は,授業中や授業が終わって から,わからないところを質問しないで,そのま まにしている。

(4)上位児,中位児の意識

  さらなる問題への挑戦意欲の減少

他の問題を解きたいと思った(上位)
他の問題を解きたいと思った(上位)

他の問題を解きたいと思った(中位)
他の問題を解きたいと思った(中位)

 前のグラフは,上位児や中位児が「授業中,もっと他の問題を解きたいと思った」かどうかを調査したものである。上位児,中位児ともに学年が進むにつれて,「もっと他の問題を解いてみたい」とする意識が低くなってきている。これは,学習の難易度が高くなっていることと合わせて,学習したことを適用し,発展的に考えようとする意欲が減少してさているのではないだろうか。

(5)児童に対する教師のかかわり

  ほめられたと感じる経験が少ない

 さらに,授業中の教師や友だちとのかかわりの調査から問題点を探っていきたい。

友達からほめてもらった(4〜6年)
   友達からほめてもらった(4〜6年)

先生からほめてもらった(4〜6年)
先生からほめてもらった(4〜6年)

 算数の授業中「友だちからほめられた」ことが「なんどもあった」「ときどきあった」と感じている児童が36%である。また,「先生からほめられた」ことが「なんどもあった」「ときどきあった」と感じている児童が39%である。いずれも4割に満たない。

また,先生にさえ「ほめられたことがない」と感じている児童が21%という結果は,考えさせられる数値である。

 一人一人の児童が学習の過程で,どのような心の動きをしているのかを,児童の学びによりそいながら,とらえていくことが必要なのではないだろうか。


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