福島県教育センター所報ふくしま No.116(H07/1995.11) -023/042page

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研究紹介

小学校における環境教育推進に関する調査研究

学校経営部経営研究係   中 畑  満

はじめに

 1億年を1mという長さに置き換え,地球の年 齢を仮に,紙テープを用いて表したとすると,46 mの長さになる。原始的植物,水生植物が生まれ オゾン層の形成によって生命を保護する膜ができ あがったのは,手もとから6m先で,その長さの 始まりはさらに10m先へとさか上る。

 人類誕生からの400万年の歴史をこのテープ上 に表すと,その長さは4cmにしかならない。近代 科学進歩100年間となると,0.0001cmで点にもな らない。経済成長,フロンガス出現からの40〜50 数年間などといったらさらに問題にならない。

 この点にもならない時間の中で,人間は「地球の危機」を作り出してしまった。地球上に生を受け,生かされてきたすべての人間は,『人類をはじめとする,地球上のすべての生きもの将来の生存と繁栄にとっての危機をいかに回避するか』という深刻な問いを,自らの責任において自覚し,真摯にそれに応えていかなければならない。

 学校での環境教育は,地球の未来を担う児童生徒が,よりよく生きるためにあるとし,環境や環境問題に対する正しい認識,環境問題を解決できる能力や態度の育成を急務の課題としている。その中核には,人間の生き方にかかわる価値観が深く関与し,難しい問題構造となっている。例えば物を新しく買い替えるか否かは,その人の価値観と深くかかわる問題にぶつかる。環境教育のむずかしさはそこにある。それ故に,この課題に対応するために主体的で創造的な教育実践がすべての学校に要請されている。

 昨今の学校現場にあっては,環境教育への意識は高まってきている。学校経営というレベルでの組織的な対応への努力も払われるようになってきている。しかし,国際理解教育をはじめとして,厳しい社会の変化の中で教育問題への対応,条件整備の不足などから,環境問題も教師個人の実践に委ねられがちになる。

 本調査研究では,こうした問題の中心を学校の実技の在り方に求め,その改善の方向を探っていきたいと考えた。特に,人間と環境との関わりについての理解と認識の根幹を担当する小学校において,環境教育の課題がどう受けとめられ,どのような方向に向かって動き始めているかを捉えたいと考えた。

 そこで,学校経営の立場に理解の深い小学校の 教頭または教務主任を対象に,県内7地区,30校 にアンケートを依頼し調査を行った。

1 研究仮説

(1)仮説

 小学校における環境教育の実態を把握し,その推進上の問題点と課題の分析を,環境教育の場の


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