福島県教育センター所報ふくしま No.116(H07/1995.11) -035/042page

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研修者研究報告

関係詞の定着を図りながら,読解力を 高める指導の工夫

福島県立安達高等学校教諭   東   陽 一

I 主題設定の理由

 本校では,「新生安達」のスローガーンの下 に学力向上への取り組みを始め,《資料1》が 示すように徐々に効果が上がってきている。し かしながら,本校も本県の特徴と同様に「数学 と英語の学力」が低迷しており,進路実現の課 題教科になっている。

 英語力向上のために,まず生徒の実態把握に 努めた。《資料2》 は今年度入学生と最終学年 の「基礎診断カテスト」の分析である。二つの 表から「英文法」と「読解力」の理解度が低い と判断できる。その上,最終学年まで同じ曲線 のままで,弱点解消の効果的な指導がなされて いない。英語力向上には「文法と長文読解」の 指導法に工夫が必要と考えられる。さらに,生 徒と教師側の立場から状況把握に努めた結果, 次のような問題点が浮かび上がってきた。

◆生徒側(3年)の悩み

 英語ができないのは「長文読解力と文法力」 が弱いから,特に「関係詞と完了形」が理解できない。また,基礎力に欠ける。

◆教師側の反省

 一斉授業を中心とし,個に応じた指導を怠り個々の理解状況の把握が不十分,また下位者への個別指導の場と時間がなかった。

 そこで,次の4点に絞り,指導をすれば英語 力の向上につながると考え主題を設定した 。

  1. 関係詞の定着と文法苦手意識の除去  
  2. 関係詞を含む長文読解指導の充実  
  3. 英語の「基礎・基本」の再度定着  
  4. 一斉授業の中で,個に応じた指導の展開
《資料1》合格者数(現浪の述べ)
年度 国公立大 私立大 短大 高等看護学校
昭和55 49 153 91 20
平成3 2 57 79 30
平成4 8 82 89 37
平成5 16 79 75 39

 

《資料2》1,3年基礎診断テスト
《資料2》1,3年基礎診断テスト

II 研究仮説

 1 仮説

 一斉授業の中にも個に応じた指導を加え,関係詞を中心に文法力を高める授業を展開すれば英文読解力の向上につながるであろう。


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