福島県教育センター所報ふくしま No.116(H07/1995.11) -036/042page
2 仮説の説明
(1) 関係詞を中心とは
「関係詞の働きから,種類,用法」また,他文法事項まで含む受験レベルの問題解決法までを範囲とする。
(2) 文法力を高めれば英文読解力の向上につながるとは
文法と英文読解力には相関関係がみられ, 読解力の向上には文法を抜きには考えられない。この研究では,特に生徒の弱点箇所の「関係詞を中心に関係詞を含んだ英文読解」の指導を図る。
III 研究計画
1 研究方法と内容
(1)つまずき時期の「高校1年次程度」教材から始め最終的に「大学入試レベル」までとする。
(2)教師主導型から,生徒の「学習状況や意欲・関心」にも重点を置き,生徒が活動できる授業の展開に努める。
(3)教材を段階化し,自主教材を作成し到達度に応じて個別指導を取り入れる。
(4)事前テスト,事後テスト,把持テストを実施し集計結果から仮説の検証をする。
2 研究対象
3年文系クラス44名(男子26亀女子18名)
IV 研究の実際と考察
1 検証授業計画
(1)単元名 「関係詞と関係詞を中心とした英文読解」
(2)指導計画(総時数6時間)
時 本時のねらい 指導内容 仮説とのかかわり 1 ●関係詞の基本1
- 関係詞とは,どんなものか,英文中でどのような働きをするのか,理解させる。
- 英文中の疑問詞との関係詞の区分
- 関係代名詞の働き
- 〃 種類
- 〃 用法
弱点文法項目である関係詞の理解を深める。 2 ●基本1の定着
- 1時限目で身につけた基本知識を問題演習により,定着を図る。
- 先行詞との関係詞節を指摘する問題
- 関係詞を使い,2つの文を接続する問題
- 関係詞で構成された英文和訳
基本1の内容を知識の理解に止めず,学習意欲を高め,応用力へとつなげる。 3 ●関係詞の基本2
- 関係副詞の基本や,また,特殊な関係代名詞や英文中に見られる特殊な慣用法について理解させる。
- 関係副詞について
- 関係代名詞 that
- 〃 what
- 〃 as,but
特殊な用法や慣用表現を学び,英文中でその働きを理解する。 4 本時 ●基本2の定着
- 2時限目で身につけた基本知識を問題演習により,定着を図り応用力を養う。
- 関係副詞の用法に関する問題
- thatと先行詞との関係
- whatの慣用表現
- as,butに関する問題
実践文法問題を題材にするが,一斉授業の中に,演習を取り入れて文法に対する抵抗感を除去する。 5 ●関係詞を含む英文読解
- 関係詞を含む比較的長い
- 英文の構造を理解し,長文読解への抵抗をなくす。
- 高1,高2程度の英文の読解
- 先行詞と関係詞が離れている英文
- 慣用表現を含んだ英文
関係詞を含む英文の構造を理解させる。 個々の読解力に応じた指導を展開して,各自の到達目標を設定させる。
6 ●関係詞を中心とした比較的長い英文読解
- 関係詞以外の項目を含む入試レベルの英文の読解に努める。
- 300語程度の英文の内容把握および読解
- 関係詞以外の文法項目
入試レベルの英文を教材にし,関係詞は勿論,長文に見られる他の文法項目を教える。 設定した各自の目標の実現を図る。
(3)検証授業案
1. 題名 関係詞に関する文法問題の解法
2. 本時のねらい
- 関係詞の基本1,2を習得させ実際の入試問題にはどのように出題されるか理解させ,基本知識を駆使し問題の解法力を養い,解くおもしろさを教える。
3. 授業仮説
- 弱点の「関係詞」を克服することで文法苦手意識を除去し,文法力そのものも高め読解力の養成につながると考える。
- また,一斉授業の中にも個に応じた指導を導入すれば,学力差のある生徒に対しても成就感を持たせ学習意欲・関心を高揚させることができると考える。
4. 指導過程