福島県教育センター所報ふくしま No.117(H08/1996.2) -009/042page

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 することができる。

 このようなコンピュータの特性を生かし,効果的に活用することは,豊かな授業づくりに不可欠であり,豊かな学力を育むための授業改善につながるのである。

 そのためには,コンピュータのハード面での整備やソフト面での充実が一層進まなければならない。特に,ソフト面については,教師自身がそのソフトの特徴やよさを的確に把握し,授業で効果的に活用するために,十分に検討がなされる必要がある。

 しかし,それ以上に大切なことは,教師自身が日頃から,子ども一人一人の願いや思いを生かし,「自分なりの課題を見つけ,考える習慣」や「拡散的な思考」を促す問題発見・解決型などコンピュータを生かせる授業を心がけることである。

 そのために,各学校において,コンピュータが使える教師とそうでない教師がティームを組み,授業づくりをするということを考えてはどうだろうか。ティームティーチングのよさは,現在いろいろなところで研究され,実践されているところである。そこに,コンピュータの特性を生かし,より一層多様な授業を展開することにより,豊かな授業が実現できる。

(2)豊かな授業とコンピュータ

 ここでは,これからの豊かな授業づくりのために,コンピュータをどう利用していけばよいかという視点に立ち,コンピュータの具体的な活用例をいくつか述べる。

1.問題を解決する

 ○「自由試行」で

 理科の学習において,科学的な見方や考え方を育むため,自由試行により子どもの自由な発想やアイディアを基に活動させることがある。自由試行の個人またはグループの数にもよるが,一人一人の考え方を生かすとどうしても多様な方法が生まれ,多様な学習活動が行われる。

 例えば実験の場面で「自分が実験する内容と方法を選択すれば,どんなことに注意すればよいかを知らせるソフト」を活用する方法がある。

 この場合,教師は事前に子どもの自由試行の内 容を把握し,その実験において注意すべき点を洗 い出し,ソフトを準備しておく必要がある。

写真

 〇「調べ学習」で

 社会科の学習において,ある課題に対して,様 々な資料(情報)を収集し,分析し,課題を解決 する学習がよく行われる。その情報収集の手段と してコンピュータの活用がある。特に,最近では CD−ROMの発達により.マルチメディア型の 資料が様々な分野において開発・提供されており, 子どもの興味・関心を高めながら,学習に取り組 ませることができる。

 さらに,パソコン通信の発達により,遠く離れ た地域の情報や気象情報などがリアルタイムに入 手できる環境が整いつつある。このことにより, 後述の福島第四小学校の実践例のように生きた情 報を子どもたち自身の手で入手し,活用できるこ とから,今後ますます注目されるコンピュータの 活用方法となるであろう。

 〇「観察・実験」で

 理科の学習において,子どもたちが観察・実験した結果をコンピュータで処理し,規則性や法則性を見い出す学習にも大いに活用される。特に,


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