福島県教育センター所報ふくしま No.117(H08/1996.2) -011/042page
コンピュータのこんな使い方
「情報収集,情報交換の手段としての活用」
福島市立福島第四小学校
1 研究のねらい
本研究では,子どもの思いや願いを生かし,次のような方法でコンピュータ活用をすることにより,子どもの共感的理解や社会的なものの見方,考え方を深めることをねらいとした。
(1)情報収集の手段としてのパソコン通信の活用
(2)情報交換の手段として,LAN(Local Area Network)の一斉転送機能の活用
2 授業の実際とコンピュータ活用
<6年社会科「一人ひとりを大切にする政治」>
【学習の流れ】 【コンピュータ活用】
1 阪神大震災の写真を見て問題をつかむ。 (第1時)
- OHCとLANを結びつけた活用(資料提供)
2 阪神大震災における人々の願いや政治の動きについて,調べる。 (第2・3・4時)
- パソコン通信の活用(情報収集の手段)
3 調べたこと,考えたことを新聞などにまとめる。 (第5時)
- コンピュータを活用した新聞作り(表現の手段)
4 新聞や収集した資料をもとに考えたことを情報交換し,災害復旧での政治の働きについて考える。 (第6時)
- LANやOHCの活用(情報交換の手段)
(1)第2・3・4時の授業の実際
子どもそれぞれが,自分の学習問題と解決の見 通しに基づいて調べていた。県立図書館での新聞 記事の収集,電話やFAXでの被災者の生の声の 収集,パソコン通信から収集した情報の取捨選択 など,自分の情報ネットワークを十分に活用した 活動を行っていた。特にパソコン通信から被災者 の生の声を収集した子ども達は,被災のひどさ, 政治に対する願いの切実さに共感し,「友達にも 伝えたい」という思いを持って,次時の新聞作り に望むことができた。
(2)第6時の授業の実際
子どもが調べたこと,考えたことを表現した新 聞や,収集した資料をもとに情報交換をした。
【友達の新聞を見て,話し合う子ども達】
情報交換の際は,LANやOHCの機能を生か し,コンピュータに取り込んだ新聞や収集した写 真,新聞記事を一斉転送をした。これにより,友 達の調べ方や考え方にふれ,自分の調べ方や考え 方と比較することができた。
3 研究のまとめ
情報収集や情報交換の手段としてコンピュータを活用したことは,被災者に対する共感的理解を深め,また,話し合いにより,自分の見方や考え方を深めるうえで効果的であった。