福島県教育センター所報ふくしま No.117(H08/1996.2) -019/042page
連載コーナー
あ な た も カ ウ ン セ ラ ー
−『いじめ』に対する指導援助−
教 育 相 談 部
115号 「仲間はずれ」「無視(シカト)」への指導援助 116号 「相手が嫌がることをする,させる」への指導援助 117号 「身体への直接攻撃」への指導援助 いじめは,確実にエスカレートしていきます。『いじめは,昔もあった』という言葉では,とうてい 対応できないのが現在のいじめです。無理やり仲間に引き込み,使い走りをさせることから始まり,ゴ ミや虫の死骸を入れた給食を無理やり食べさせる,体育着をナイフで切る,万引きさせる,金銭を強要 する,殴る,蹴る・・・・止めどなくエスカレートしていきます。
大河内君の残した遺書は,止めどなくエスカレートしていくいじめの体質と,「身体への直接攻撃」 によるいじめが,被害者の心の中にいかに大きな傷を残すものなのかを伝えています。
(前略)・・・・・・・・・あ,そーいえば何で奴らのいいなりになったか?
それは,川でのできごとがきっかけ。川につれていかれて,何をするかと思ったら,いきなり,顔をドボン。
とても 苦しいので,手をギュッとひねって,助けをあげたら,また,ドボン。・・・・・・・・・(中略)・・・・・・
逃げたら,足をつかまれてまた,ドボン,しかも足がつかないから,とても恐怖をかんじた。
それ以来,残念でしたが,いいなりになりました。・・・・・・・・・(中略)・・・・・・
いつもいつも使いばしりにされていた。
それに,自分にははずかしくてできないことをやらされたときもあった。
そして,強制的に,髪を染められたことも。でも,お父さんは僕が自分でやったと思っていたので,ちょっとつらかった。・・・・・・・・・(中略)・・・・・・
あと,もっともっとつらかったのは,僕の部屋にいるときに彼らがお母さんのネックレスなどを盗んでいることを知ったときは,とてもショックだった。・・・・・・・・・(後略)『いじめ指導マニュアル』(教育開発研究所)より