福島県教育センター所報ふくしま No.117(H08/1996.2) -021/042page

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理解を求めた上で,解決に向けての連携を図る。

〇 K男に対して・・・K男が心を開きやすい担任が面接を行い,K男の傷ついた心を癒すとともに,自己肯定の心を育む。

〇 B男たちに対して・・・B男たちから信頼を得ている養護教諭が,個別面接とグループ面接を行い, 自分たちの行為を見つめさせ,K男の気持ちを思いやることができるようにする。

○ 学級に対して・・・いじめは非人間的な行為であることを指導するとともに, 互いを認め合う学級作りを通して「観衆や傍観者」をなくす。

4 指導援助の経過

【K男への指導援助】

 担任がK男の傷ついた心を,受け止め支える面 接を行った。

【K男との面接】

《担任》

《K男》

「つらかったろう」 「・・・・(うなずく)」
「よかったら,その気持ちを聴かせてくれないかな」 「・・・・(長い沈黙)・・・・だれも・・・・」
「だれも・・・・」 「だれも,助けてくれなかった。・・・・心配かけたくないから,家族にも言えなくて・・・・」
「話したくても,話せないとつらいよね」 「・・・・う〜ん・・・・」
「よかったら,先生に聴かせてくれない?」 「・・・・仕返しが・・・・怖くて・・・・」
「仕返しが・・・・怖い」 「(うなずく)・・・・きっと,前よりひどくなりそうで,それが怖くて」
「う〜ん,そうか。でも,先生方全員で,君のことを守るから,心配しないでいいよ」 「・・・・(沈黙)・・・・」
「君は,先生にとって大切な生徒なんだよ」 「・・・・(うなずく)」

 このように心を癒すことに焦点をあて,つらい 心を受け止めた。その後,K男の良さを認め,励 ますことを中心にして面接を継続した結果,K男 の心はしだいに癒され安定が図られ,明るさを取 り戻していった。

【B男たちへの指導援助】

 B男たちに対しては,心を受け止める個別のカ ウンセリングにより不満を解消しながら,いじめ の要因や背景を把握した。その後,自分たちの行 為を見つめることを通してK男の心の痛みや苦し みを理解させ,K男の気持ちを思いやる心を育む ことをねらいとしてグループでの面接を数回行っ た。初め,B男たちはお互いけん制しあっていた が,養護教諭が「君たちが今の気持ちを話すこと は,とても大切なことなんだよ」というメッセー ジを投げかけつづけた結果,しだいに心を開いて いった。

【B男たちへのグループでの面接】 (B男のグループは,他にC男 D男で構成される。)

《養護教諭》

《B男たち》

「君たちの今の気持ちを聴かせてくれないかな」 全「・・・・(沈黙)・・・・」
「君たちが考えてること,とっても大事なことだと,先生は思うよ」 全「・・・・(長い沈黙)・・・・」

C「・・・・(しぼり出すような声で)・・・・かわいそうで・・・・」


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