福島県教育センター所報ふくしま No.117(H08/1996.2) -024/042page
が異なる男子による異年齢集団とした。
(2)指導援助者
指導援助者は,HFTクラブ2名の専任担当員 があたった。
(3)実施時期及び期間
実施の時期は.指導援助期間(5カ月)の中期 から後期の段階に行い,実施期間は,2泊3日と し,児童生徒が宿泊体験学習になじみ,互いに自 分の感情を自由に出し合い,のぴのびと活動して, 指導援助の所期の目的が達成できるよう配慮した。
(4)実施場所及び活動内容
実施の場所は,海岸等の自然が十分活用できる「福島県海浜青年の家」(相馬市)を利用し,施設の特徴を活用しながら,スポーツ的活動,生活的活動,創作的活動等を行った。
(5)評価について
評価については,児童生徒の変容を把握するために,児童生徒の振り返りの様子や感想,さらに専任担当員のチェックリストによる観察法を取り入れた。
3 指導援助の実際
砂の芸術(創作的活動)と野外炊飯(生活的活動)の二つの実践を取り上げて紹介する。
(1)砂の芸術(創作的活動)
1.ねらい
- 遊戯的活動により児童生徒の不安,不満を解消しながら心理的な安定を図り,生き生きした活動を引き出す。
2.活動
[◇の表示は児童生徒と指導援助との振り返りを表す。]
3. 実践から
【遊戯的活動1】
指導援助者と肩を組み, 言葉を交わしながら太平洋を眺めたり,砂浜に腰 を下ろして.音楽を聞いたりして遊戯的活動を行 ったが,最初は,緊張感から,静かな雰囲気であ った。しかし,上級生が下級生の後ろ姿に,砂掛 けをしたことをきっかけに,本来の活気がよみが えり,波うち際に走り,寄せる波に喚声をあげる 者,拾い集めた貝殻の模様や流木の形を仲間に自 慢げに語りかける者等,次第に,心理的解放が進 み,不安が薄らいでいく様子がみられた。
*「砂の芸術」の作品:自分たちの安全を祈願して作った「守護神」