福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.119(H08/1996.11) -012/042page

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子どもの写真

 (1)目の前の子どもが求める教師

 ところで、子どもたちは、私たち教師をどのように見ているのでしょうか。教職にある者なら誰しも関心のある気がかりなことです。

 これに関しては、さまざまな調査が行われていますが、共通してみられる傾向は、教師の授業技術については比較的高い評価をしているものの、教師の人間性にかかわる側面の評価は意外に低いようです。 例えば中学生の場合、「熱心に授業してくれる」「教え方がうまい」等という先生は多いが、「生徒の気持ちをつかんでいる」「尊敬できる」等の先生は少ないという調査結果が出ています。(「モノグラフ・中学生の世界」VOL23)

 では、子どもたちは、どのような教師を求めているのでしょうか。これに関しても多くの調査がなされています。

 多くの子どもが選ぶ理想の教師像としては、「ユーモアのある先生」「だれにでも公平な先生」「気持ちをよく分かってくれる先生」「悩みや相談にのってくれる先生」「わかりやすい授業をしてくれる先生」「約束を守ってくれる先生」などがあげられています。(前述VOL23)

 わかる授業を展開するという授業についての力量は別にして、そのほかのユーモアや公平さ、子どもの気持ちを理解する力、親身になって相談に応じる優しさといったものは、教師の人間性にかかわるものであり、今の私たち教師に不足していると子どもが評価している要素でもあるようです。

 私たちの目の前にいる子どもは、授業者としての教師の知識・技術・熱意は一応認めていますが、その人間性については疑問を抱き、そして、それを求めているように思えます。

(2) 自らの資質を高める研修

 上述したような目の前の子どもの願いに応えていくためには、私たち自身の資質を高めていくことが必要であると思います。 研修内容としては、さまざまな内容が考えられますが、特に次のような資質の高揚を図る努力はかかせないと思います。

 @ 子どもに共感する人間性
 教師に子どもと共感する人間性がなければ、子どもたちは私たち教師を信頼しないし、学ぼうとする意欲もかきたてられないと思います。 自己研修を通じて自らの人間性を磨き、一人一人の子どもの想いや願いを敏感に感じとったり、どの子にも公平に、温かい心で接することができるよう努めていきたいものです。

 A 子どもの個性、能力を伸ばす専門性
 すべての子どもに、必要な基礎・基本を確実に身に付けさせるとともに、個性や可能性を伸長させることが私たち教師の使命です。 この使命達成のためには、目の前の子どもの姿から自己研修課題をとらえ、学問的理論に裏付けられた体系的な専門的知識や技術を身に付けることができるよう、自己研鑽に努めていきたいものです。

 B 直面する課題への対応性
 登校拒否、自殺、いじめなどの子どもの問題行動をはじめ、学校週五日制の問題、基礎学力


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