福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.119(H08/1996.11) -0024/042page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

研究紹介

食品と栄養についての理解を深め、実践意欲を高める指導の工夫

〜調理実習における献立の工夫を通して〜

田村郡常葉町立常葉中学校教諭  本 田 由 美

   

1 主題設定の理由

 これまでの調理実習を振り返ってみると教師サイドの計画で進められており、時間の中で効率良く進めることにのみとらわれていたため、生徒が本来持っている自主性や実践意欲を高めるための手立てが弱く、生徒が主体的に活動する場を作ることができなかったと考える。

 そこで、調理実習の献立を生徒が作成し実習することにより、生徒の興味・関心が高まり、創意工夫することの楽しさから食物学習に主体的に取り組み、さらに、家庭での実践につながるだろうと考えた。具体的には「めんを用いた調理」の学習を取り上げ、めんを用いた一食分の食事を整えることで食品と栄養、栄養のバランスを考え、食事を整えることの楽しさを味わわせることで実践への意欲を高めたいと考え、主題を設定した。

2 研究仮説

1 仮説

 食物の学習において、生徒の創意工夫が生かされた調理実習ができれば、食生活に主体的に関わることにより理解も深まり食事を整える楽しさを感じ、日常生活でも応用し実践しようとする意欲が高まるであろう。

2 仮説の説明

(1) 生徒の創意工夫が生かされた調理実習とは
  初期の2回の調理実習で基礎・基本をしっかりと身に付けた後に、実生活に生かせる学習ができる場として創意工夫する場を設けた。方法としては、一定の条件の基に課題に合う献立をグループごとに考え、調理カードを用いて栄養のバランスを考えながら一食分の献立を立て、作業計画を立てて調理実習することである。

(2) 食事を整える楽しさとは
  栄養のバランスを考えて献立を作成することは難しいことだが、創意工夫する献立の場合には、栄養のバランスさえよければ好きなものを取り入れることができるので題材例にとらわれず自由に組み合わせることが可能である。このような調理学習は一人一人の意見やアイディアが生かされ、それを基に実習するため興味を持って取り組むことができるということである。

(3) 日常生活でも応用し実践する意欲とは
  教師が計画した調理題材でない場合は日常生活に最も密着した内容となり、家庭生活で実践する意欲につながるということである。

3 研究計画

1 研究方法・内容

(1) 一人一人が課題を持ち既習内容を基に創意工夫する場の工夫
(2) 実践意欲を高める調理実習の場の工夫


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。