福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.119(H08/1996.11) -023/042page

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いとして表現されている。自分で工夫することに楽しさを感じながら取り組む様子が見られた。

4 考察

1 事前事後テストの結果から

事前事後テストの結果  表現・理解の関連指導で、表現が理解を深めるために有効であったかを検証するために、ワークテストの結果を比較してみた。すべての設問のおいて正答率が上がっているが、特に設問7の主題にかかわる理解が伸びている。検証1の授業により主人公の人物像がしっかりとらえられ、児童の読みが視写によって深まったものと考えられる。

2 児童の自己評価から

 学習を自分自身で自覚するために、毎時間自己評価の活動を取り入れた。検証1・2について5段階評価の集計を見ると、おおむね学習の有効性を示す結果となった。関連指導で扱う事項を絞って臨めば、確実に学習効果も上がり、表現力の向上にもつながっていくと思われる。

〈検証1・2の自己評価〉
  検 証 1 検 証 2
 A たいへんよい   19(人)  61.3%  24(人)  77.4%
 B だいたいよい   3  9.7  3  9.7
 C よい  3  9.7  2  6.5
 D あまりよくない  4  12.9  2  6.5
 E わるい  2  6.5  0  0.0
  合計  31(人)  31(人)

5 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ

子ども写真 (1)理解領域の中に様々な表現活動を取り入れることは,児童の思考や想像に強い働きかけをするのに有効であると思われる。書くことによって自分の考えが整理できるし、友達との意見交換によって、さらに考えを深めることができるからである。
(2)文学教材の中での優れた表現方法を自分の文章で実際に味わう活動は、学習の大きな経験として身に付き、その後の生活の中で生きてくるものと考える。
(3)自分の文章に取り入れるということを意識すると、自ら叙述に注意して読む習慣が身に付いてくる。言葉についての感覚が磨かれてくるように思われる。

2 今後の課題

(1)理解領域において、表現領域との関係で取り上げる内容の吟味が大切である。「何を学ばせたいのか」の見極めが課題である。
(2)組織的・系統的な年間指導計画の作成が望まれる。国語科の領域関連ばかりでなく、他教科との関連も含めた総合的な単元構成も考えてみたい。

【参考文献】
    自己教育力を育てる国語指導 東洋館出版
    小学校作文指導事典     教育出版
    視写・聴写・書き込み    東洋館出版


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