福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.119(H08/1996.11) -027/042page

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 イ. 栄養のバランセシートから
  バランスシートにまとめたことは、見易い分かりやすいといった利点があったが、記入の仕方に手間取ったグループもあり、話し合いの時間に不足が生じたという反省があげられる。また、これまでは題材例に示されたものをまとめるだけだったが、今回は調理カードを利用したり、具を工夫したりということで分量を考える時間が必要になり、さらに食品の重量の概念ができていないことも作業を進める上で苦労した。そのために、栄養を考えて献立を立てるのは大変だという生徒の感想があったが、献立を立てることが楽しいと感じた生徒もおり、作業に慣れることによって、より楽しさを感じることができると考える。

A 事前、事後調査より
 調理カードで組み合わせを考えることにより、献立を考えることに興味を持った生徒が多くなった。〈資料2〉また、栄養バランスシートに記入したことにより、漠然としたものが明確になり、考えるきっかけができたと考える。〈資料3〉また、学校で学んだことを家庭で実践したいという意欲を持った生徒が半数近くに増えた。〈資料4〉多くの生徒が自分達の好みを取り入れることがそんなに難しくもなく、楽しく学習できた。楽しくないという生徒が一人もいなかったことでそれは裏付けられたと考える。〈資料5〉

〈資料2〉〈資料3〉

〈資料4〉〈資料5〉

5 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ

 〇 教科書の題材例にとらわれない〔めん料理〕を考えさせたことで、生徒の創意工夫を生かすことができたと考える。また、調理カードを基に、グループ内で話し合うことによって、自分達の献立を少しでもまとまりのあるものにしようとする意欲を持たせることができた。また、創意工夫させることで、今まで受け身的であった実習計画の段階を主体的な活動の場にすることができた。

 〇 バランスシートの記入は、単に献立のバランスを見るだけでなく毎日の食生活を見直すきっかけになったと思う。今後の調理実習で継続して活用することが、さらに生徒に実践力をつけさせるものと考える。

2 今後の課題

 〇 教師主導の授業が多かったため、自分達の創意工夫が生かせるにもかかわらず、調理カードのわくをこえられない生徒がいた。生徒の発想を大切にし、自主的に活動できる場を確保した授業改善に心がけたい。

 〇 家庭での実践に結び付けるために、実践意欲だけでなく、実践力を身につけさせるための手立てを考えることが必要である。


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