福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -006/042page
「一人一人の豊かな心を育む体験活動」
〜体験活動を通して進んで社会や相手に思いやりをもって実践できる児童の育成〜伊達郡保原町立大田小学校
1 はじめに
「やさしさ」のある子どもは過去に人から「やさしくしてもらった」という経験があるため人にやさしくできるのであり、自分より小さな子に「思いやりを持つように」と言っても、小さな子と接したことのない子どもはなかなかその気持ちにはなれないものである。そう考えると直接体験こそが個々の子どもの「真の力」となるものであると言える。
本校は豊かな体験に根ざした道徳性の育成に努めてきた。この校内研修を進めていく中で、様々な問題が生じるが、いずれもそれは了どもたちの新たな経験の場であり、課題解決の貴重な学びの場であるととらえるとともに教師の絶好の研修の場として研究を進めてきた。
2 実践事例
(1) 福祉教育に関連して
1 老人介護施設「桃花林」との交流
近くの老人介護施設の「桃花林」との交流会は4年生から6年牛まで年に1〜2回程度、学校としては合計で年3〜5回行っている。子どもたちはお年寄りが喜ぶようにとハンドベルの演奏や合唱をしたり、ゲームをしたり、プレゼントを贈ったり、お話をしたりして交流を深めている。2 「チャリティーバザー」
全校生が学校の環境整備のため草花の栽培に携わっている。どの花も種から育てているが、特に葉ボタンは植え替えをして大きく成長させた苗を「チャリティーバザー」として地域の人たちに販売している。了どもたちが育てた葉ボタンであることや極めて安価であることから毎年大勢の方々が喜んで協力してくれている。この収益金は開発途上国の育英資金(フォスタープラン)として提供し、子どもたちのボランティア活動の啓蒙や伸展に役立っている。(2) 国際理解教育に関連して
1 町のALTとの楽しい交流
子どもたちはこれまで外国の人との交流経験がなかったために外国の人と接したいという強い関心を持っていた。そこでALTと楽しく活動できる場面を設定したところ初対面ではあるがALTに親しみを持ち、相手を大切にしながら交流することができた。2 様々な外国の人との交流
ALTとの交流が楽しかったという子どもたちの声が発展し、もっと大勢の外国の人と触れ合ってみたいという強い希望が出された。そこでその体験の場を設定してみると、単なる触れ