福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -007/042page

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合いから一歩進み、その国の文化や習慣のことまで理解しようとした。お互いの意思の疎通は難しかったが、その分、言葉の重要性を強く認識し英語学習の強い刺激になったようである。

 また下校時刻が過ぎても、どうしてもALTを見送りたいという子どもたちの姿を見たとき、外国の人との交流に寄せる子どもたちの思いの大きさを痛感した。

学校写真

(3) 栽培活動に関連して

 本校の栽培活動は学校のみならず、地域における奉仕等の体験活動として地域の集会所や駅などの公共施設を草花で飾る活動を実施している。これらの場所は地域の老人会等によって手入れされてきたのであるが、そこに子どもたちが参加することで地域を愛する心が育ってきた。

 この活動は「開かれた学校づくり」「地域のよさを知り、地域の教育力の向上」という点で人きな成果をあげることができた。

(4) 環境教育に関して

 牛乳パックから再生紙を作ることを通して、ゴミ問題やリサイクル活動に、より積極的に取り組もうとする態度の育成を図っている。子ども同士が協力し合って落葉や色紙を入れ、きれいな再生紙に仕上げ、しおりを作ったり、はがきにしたりするなど了どもたちの思いは広がった。

 活動後の子どもたちの感想には、地域から地球規模の環境問題まで触れられており、体験活動の大きな成果が表れていた。

3 「体験活動」を通しての学校の高まり

 本校の「体験活動」は学年の発達や季節感を重視し発展性のある年問の見通しのもとに計画立案し、子ども一人一人が取り組む発表の場や機会、作業を多くし、心地よい思い出として心に残る特色ある教育活動として位置付けた。また「教科、道徳、特別活動」の3領域と並んだものとして取り上げ、重要性をより明確にしてきた。

 この「体験活動」には外部の多くの方の協力を仰ぐことから活動の盛り上がりがあり、依頼を受けた方々も大変喜んでくれ、子どもたちへの感謝とともに教師への感謝が表れる。地域の学校への協力は本校教員の誠意と意欲ある姿勢によるものであろう。

 この研究推進について申し合わせたことの第1は子どもたちに確かなめあてを持たせることであり、第2は体験活動の素材や学習の場を開発し実践記録を積み重ね、他の教師の資料となるようにすることである。めあてをもった子どもたちは主体的に活動し、望ましい変容を具現してきたし、教師も先見的研究者として自覚と意欲が高まってきている。

4 おわりに

 本校で取り組んできたことは、目の前の子どもたちの成長を願い、全職員が研修を広め、深めて価値ある体験活動を了どもたちに提供し、ともに豊かな心を掘り起こしてきたことである。子どもたちは体験を積み重ね、培った苦労や喜び、成就感により嬉々として学校生活を送るようになったし、同時に教師も研修を推進したという満足感を感じ、学校は活気に満ちている。

 「学ぶことがなければ成長はない、成長しないものが他の成長に手を貸すことはできない」という言葉通りである。これからも子どもたちのため全職員でともに学び、悩み、喜び、成長していきたい。


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