福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -010/042page
主体的学習態度を育てる授業の改善
〜「学ぶ力が育つ授業を了どもとどう創るか(第9次)」の研究を通して〜(国語・社会・算数・理科)白河市立自河第二小学校
1 はじめに
本校の研究は、昭和42年度に福島県教育委員会より学力推進校に指定されて以来、30年間一貫して「教科の本質に基づき、児童の主体的学習態度を育てるためには、授業をどのように改善したらよいか。」を研究主題にかかげ研究を推進してきた。
今年度は、第9次研究の第2年次にあたり、研究主題を具現化するために、研究副主題に「学ぶ力が育っ授業を子どもとどう創るか」をかかげ研究を進めてきた。本校では、自らが学ぼうとする原動力となる児童の思いや願いをもとに追究しながら、集団の中で自己を高める姿を「学ぶ力が育つ姿」としてとらえ、その姿に迫るために、「学ぶ力が育っ授業の工夫」に重点をおき研究に取り組んできた。2 本年度の研究構想
(1) 副主題についての考察
1 学ぶ力とは 本校では、福島県教育庁義務教育課から出版された「基礎学力向上の手引き」の中で定義づけられている「学ぼうとする力」「学ぶ力」「学んで得た力」が、学習の中でともに作用し合いながら、フルに活用されたときに児童にとって生きて働く力となり、主体的学習態度を育成することになると考えた。学習において働き合う3つの力を『学ぶ力』ととらえた。
2 学ぶ力が育つ授業とは
『学ぶ力』を育んでいくためには、学習において児童の学ぼうとする原動力となる思いや願いを重視しながら、集団の中で自己を高めようとする姿が見られることが大切であると考え、求める授業像を次のようにとらえた。
児童一人一人が自らの思いや願いを大切にしながら、自らの方法で課題解決にあたり、お互いに磨き合い、高め合うことを通して、学ぶ力を獲得することができる授業
このような授業を具現化していくためには、教師側だけで授業を組織し、展開していくのではなく、児童を中心に考え、児童の思考にそって、児童とともに授業を創り上げていくことが大切であると考える。
3 実践の概要
(1) 研究方法
本年度は、求める授業像に迫るために、次の5つの手だてを各教科の本質をふまえた内容に変え、授業を組織してきた。
1 基礎的・基本白勺内容の明確化