福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -013/042page
この研究推進の過程では、これまでの反省の上に立ってグループ協議会を導入した。
(1) グループ協議会導入のねらい
教師一人ひとりが意見を出し合い、十分な討議が展開されれば、研究主題に対する共通理解が形成され、研究や研修に対する意欲につながるものと考えた。そのためには、全体協議会の前に少人数のグループ協議会を設定することが有効ではないかと考えた。
(2) グループ協議会の実際
1 グループの人数………話し合いがもっとも深まりやすい人数は、5〜6名と考えた。
2 グループの構成………年齢川員に振り分ける方法を採った。今回の協議事項が『学びとる力』とはどのようなものか」という研究の根幹に関わるものであったため、教科の枠を取り払い、幅広い年齢層の構成にすることで、不易なものを抽出できればと考えた。
なお、このグループ構成は固定的なものではなく、協議する内容に応じて適した構成を、そのつど採っていくようにしている。
3 組織上のつながり……各グルーブでの話し合いが拡散的にならないよう、研究推進委員がそれぞれのグループの司会進行役を務め、核となるようにした。(図1)4 若手の起用………グループの代表者に葦手を起用し、全体協議会で発表する場を与えることで、協議会の活性化を図った。(図2)
(3) グループ協議会の成果
まだまだ試行の域を出ず、成果を論ずる段階にはない。しかし、グループ協議会を終えてきたときの満足感ある表情、全体協議会でのOHPを利用しての発表など、好ましい様子が見て取れた。また、各先生方からは「普段じっくりと話す機会がない先生とも意見を交換でき、とても有意義であった。」「経験豊かな北生の意見は味わい深く、勉強になった。」などの声が聞かれた。
しかし、時間の確保の難しさや、研究推進委員会での事前の練り上げ・事後のまとめなど、解決すべき課題も多い。
4 おわりに
研究や研修というと、どちらかと言えば敬遠されがちなものである。ではそれに対する意欲や必要性の認識がないのかというと、決してそうではない。教師一人ひとりの研修意欲を引き出し、お互いの力を持って研鑽していくような雰囲気づくりをするために、校内の組織機能の充実を柱に、さらに創意・工夫と努力を重ねていきたい。