福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -016/042page

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連載コーナー

  あなたもカウンセラー

〜児童生徒相互の好ましい人間関係づくりをめざして〜

            教育センター教育相談部

118号 互いに理解し合うことをめざした指導援助
119号 互いの信頼関係を深めることをめざした指導援助
120号 お互いによさを認め合い、生かすことをめざした指導援助

 本号(最終回)は、これまでの2回(118号・119号)の実践を受け、「互いによさを認め合い、生かすことをめざした指導援助」について紹介します。

 でも、何かが………!

 2月はじめの放課後、担任はたまたま教室でタケシと一緒になりました。


担任:タケシ君、1学期の頃からするとだいぶ明るくなったんじゃない。

タケシ:ええ、中学に入学したばかりの頃は、不安もあったんですが………。

イラスト 担任:そう………。

タケシ:先生が時々学級活動の時間にやってくれるゲーム(実習)なんかも楽しいし、学級の雰囲気もいいですよ。

担任:そうかあ。中学校生活が充実してるってとこかな。

タケシ:ええ、そうなんですけど………。でも、何かが足りないなあって、自分らしさって何かなあって………、最近考える時もあるんです。

担任:でも、何かがねえ………。

         :

 職員室に戻った担任は、タケシとの会話に出てきた「でも、何かが………」ということばが気になりました。

 確かに、ゲーム(実習)などを取り入れて、学級には活気が出てきたのだけれど、「でも、何かが足りないのでは………。」と担任としても感じていました。

 自分の気持ちや考えが、のびのび表現できて、周りもそれを温かく受け入れられるようにはなってきたんだが、一人一人のよさを認め合い、生かすことができるようになってくれたらなあ………。

 そんな思いで、これまでも机の上に置いて、時々開いて参考にしているゲーム(実習)の本を手に取りました。


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