福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -020/042page

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研究紹介

美しい合唱を創りあげるための指導はどうすれぱよいか

  〜和声感を高めるための活動を通して〜

                 郡山市立桜小学校教諭 長谷川 匡

1 主題設定の理由

 全校集会で校歌などを歌うとき、生き生きとした表情に欠ける高学年にもっと歌うことの楽しさを味わわせたいと考え、前年度「一人一人が自分の思いを大切にしながら意欲的に表現活動に取り組む授業」というテーマで授業を実践した。

 その結果、自分の思いを込めながら自分の声に自信を持って歌う姿が見られるようになってきた。しかし、ハーモニーの美しさを味わいながら合唱ができたかどうかは疑問をはさむ余地があった。まとめの段階での児童による発表は練習の足りないハーモニーの不安定さを感じさせる合唱であり、児童にとっても満足とは感じられない出来であった。

 そうなった原因としては次のようなことが考えられる。まず、教師側として、授業で歌唱にかける時間が少なく、楽器による表現活動に多くの時間を費やし、必然的に児童の合唱の経験が少なくなってしまったことである。

 児童側として、合唱するときに他の旋律につられ、自分たちの旋律を自信を持って歌えないということである。ハーモニーの美しさを味わいながら合唱しようとする前に他の旋律につられず歌うということが大命題になっているのである。

 以上のようなことから、美しい合唱を創りあげるための要素の一つとして、児童に和声感を養っていくことが大きな課題であると考えた。

 そこで、児童の和声感を高めるような活動をいくつかの題材の中に組み入れながら継続的に活動することによって、美しい合唱を創りあげようと考え上記のような主題を設定した。

2 研究仮説


 5年生の「ふしと低音」「ふしと和音」「合唱のひびき」の題材において和声を声で分担して合わせていく活動を継続的に経験させていけば和声感が身に付き、美しい合唱を創りあげるための大きな力となるであろう。


3 研究内容

 (1) 「ふしと低音」〜「合唱のひびき」の学習計画の作成
 (2) 「ふしと低音」「ふしと和音」における和声感を養うための活動の位置付けとその指導の工夫
 (3) 「合唱のひびき」での児童の変容についての調査と考察


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