福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -022/042page

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にとらわれることなく表現の工夫に取り組むことができるであろう。

 3 実践の概要
 いよいよ本格的な合唱への取り組みである。前半は、全員で「星の世界」の三部合唱に取り組んだ。改めてソプラノ・メゾソプラノ・アルトのパートを編成しパート練習に取り組んだ。

 授業の後半は、グループに分かれ、それぞれに曲を選んで合唱への挑戦である。児童が選曲する際、旋律が覚えやすく親しみをもって歌える曲、合唱部分の音取りに負担がかからずしかも音の重なりの響きを味わいやすい曲という条件を考慮し、いくつかの曲を用意した。10人のグループが4つでき、曲の選択から音取り、そして表現の工夫まで児童の手で進められた。

 検証の段階での児童のめあては次のようであった。めあての表現は様々であったが、「つられないように」「曲の表現に関して」「音の重なりに関して一「その他」の4種類に分類した。

 多くの児童がこの検証授業の段階では曲の表現に関することや音の重なりを意識することをめあてとしている。「大空を飛んでいくよう二部のところを大きく歌う」「他のパートに溶け合うように歌う」というようなめあてが見られた。

グラフ

3 考察

 和声感が身に付いたかどうかを見る手立てとして次の項目で検証授業終了後、2回の調査を行った。

 ○ 今日の学習で音の重なりを意識して歌うことができましたか。
 ◇1 自分のバートすら歌えなかった
 ◇2 自分のパートを歌うのが精一杯だった
 ◇3 他のパートを少し意識して歌うことができた
 ◇4 音の重なりを意識して歌うことができた

グラフ

 検証A終了後の調査では、少しでも他の音を意識して歌うことができた児童は40名中31名と、事前の児童の姿と比べてみると和声感の高まりを感じさせる結果となった。
 また、検証Bの終了後では、わずかではあるがその数字に高まりが見られる。「意識して歌えた」と答えた児童は検証Aの6人から14人に増加している。

 ○ 今までの学習を振り返って自分の音がくるっているときに気がつきますか。
 ◇1 あっているのかくるっているのかわからない
 ◇2 歌っていて何かおかしいと思うことがある
 ◇3 くるっているとすぐわかる
 ◇4 ほとんどくるうことはない


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