福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -031/042page
6 2の5の「タイプ表」「タイプ別検索表」「植物用語解説書」を使用しての実践
(1) 内容
2の3の(1)と同様の内容で実施した。
(2) 対象
・ 県内各地区の小学校教諭107名
(3) 場所・時期
・ 県内各地区、平成7年5月〜6月
(4) 結果および考察
1 結果(アンケート回答)ア 「大変わかりやすい」「わかりやすい」の主な内容
・ 観察した結果を「タイプ表」に適合させた後、「タイプ別検索表」に適合させると、正確に科名がわかるので私も簡単にできる。
・ 用語解説書は、図版が多く、一見してわかる内容になっていて、理解しやすい。イ 「少し難しい」「大変難しい」の主な内容
・ 適合が2回あり、1回でも問違うと正確に検索できない。
・ 用語解説書の説明に専門用語があり、植物に弱い私には、理解できない箇所があった。2 考察
工夫・改善した検索法については、7害強の人が「大変わかりやすい」「わかりやすい」と答えている。この理由については、対象種を絞って簡素化を図った「タイプ表」や「タイプ別検索表」が簡単明瞭になったため、科名の特定がスムーズにできたためと考えられる。植物用語解説書については、約75%が「大変わかりやすい」「わかりやすい」と答えている。
このことは、図版を多用し、平易な内容の解説書が理解を容易にしたためと考えられる。
3 研究の成果と今後の課題
1 研究の成果
(1) 従来の方法に「新しい検索法」を導入することにより、専門的知識がない人でもある程度の練習をすると、観察した植物の科名を正確に知ることができ、植物観察の楽しさを実感としてとらえさせることができた。
(2) 科名を知ることで、図鑑の索引を利用することができるようになり、種名の同定など図鑑の活用法についてもマスターできた人が多い。
(3) (1)、(2)により野外観察の実践意欲を高揚させることができ、植物観察の方法のヒントを与えることができた。また、子供からの質問についての適切な対応の仕方の手掛かりを示すことができた。
2 今後の課題
この「検索法」は、植物についての専門的な知識のない人でも、観察情報を「検索表」に適合させるだけで正確に科名がわかる大きな利点はあるが、内容を詳しく検討して、さらに改善していく必要がある。
<引用・参考文献>
1 新しい植物検索法離・合弁花類篇石戸忠著ニュー・サイエンス社
2 牧野新日本植物図鑑牧野富太郎著北陸館など