福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.120(H09/1997.2) -034/042page
うな心配りをしてそれぞれのネームプレートを黒板に貼った。
この授業で教師は、ネームプレートを貼れなかった生徒へもそれぞれの活動を十分に認める配慮をしながら多様な言葉かけをしていた。
2 単元の実践
(1) 単元を通したネームプレートの活用本単元では、ネームプレートを次のようなときに用いた。
・ 発言しないまでも発言内容と同様な考えを持っていたとき
(2) 生徒の授業に対する意識
・ 小声ながらも貴重なつぶやきなどをしたとき
・ 目立たないながらもよく活動し、指名によって十分に発言できたとき
・ 資料や作業などから気づいたことや感想の求めに応じて発言したとき
・ 他の生徒にはない、その生徒なりの独自性を発揮できたとき
・ 読むことや書くこと、作業することなどその生徒の特技を発揮できたとき
生徒の授業に対する意識調査から自己存在感にかかわる項目を取り上げ、学級集計をした。
(事前:○…○、事後:●ー●)
2 あなたは授業中、伸び仲
びと発言したり、活動した
りしていると感じることが
多いですか?6 あなたは授業中、先生に
自分の話をよくきいてもらっ
ていると感じることが多い
ですか?7 あなたは授業中、級友に
口分の話をよくきいてもらっ
ていると感じることが多い
ですか?9 あなたは授業中、自分の
考えたことや調べたことが
生かされていると感じるこ、
とが多いですか?10 あなたは授業中、自分の
活躍する場や機会(時)が
あると感じることが多いで
すか?この調査から、「伸び伸びと発言したり、活動したりしていると感じる」や「自分の活躍する場や機会があると感じる」生徒が特に増えたことが分かる。これは、ネームプレートを用いて進めた授業実践の成果であると考える。
(3) イメージマップの分析
単元のはじめと14時問目に「日本の南西部」の言葉からイメージできる事柄を書き出させた。
マップに記入された言葉数の学級平均は事前28.8、事後107.9であった。次頁の例のように、事前の内容はそれぞれの生活経験などから 「博多一ラーメン」 のように記入された個性的なものが多く、当然本単元の学習内容とのかかわりは薄かった。一方事後の内容は幅広く単元の学習内容が記入され、しかも既習の歴史的、地理的内容とも結びついて 「九州ー北九州工業地帯ー八幡製鉄所ー官営工場ー明治維新ー明治天皇ー