福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.121(H09/1997.7) -007/042page

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グなど指導方法の一層の改善を図りつつ、個に応じた指導の充実を図るよう述べられています。

 また、平成9年度の県教育委員会の重点事業として「学力向上IDプラン事業」をあげ、教員の加配措置を講じてティーム・ティーチングに取り組み、児童生徒の学力向上を図ろうとしています。

 本日は、T・Tに積極的に取り組まれ、数多い実践を積まれている学校の先生方や直接指導行政に携わっておられる方々にご出席をいただき、T・Tの在り方についての体験談や指導の在り方等についてお話していただきたいと思います。

 まず初めに、T・Tによる指導を実施してみての感想や成果として受け止められていることについてお話していただきたいと思います。

菅野  本校では、T・Tを実施し始めた4月の時点と10か月後の1月の時点で児章の意識調査を実施しました。

 その結果を見ると、算数や理科の学習が「好きだ」「好きになった」という児童が多くなりました。

 その主な理由は、それぞれの児童の課題や思い・願いに合わせた「コース別学習」が児童の興味・関心を喚起し、成就感が味わえたからではないかと思います。

 算数で実践したことですが、3クラスを解体し6人の教師で、いわゆる「習熟度別学習」を行いました。児童は、学習を十分楽しんでいるようでしたし、他のクラスの友達と一緒に学習できたこと、新しい友達もできたことなどにより、学習意欲が高まるという成果も見られました。

今井  確かにT・Tは効果があると思います。わかる授業が展開され、生徒が意欲的になり「授業が楽しい」と話すようになりました。そのような生徒の意欲の高まりが、さらに次のわかる授業へつながるというよい循環が生み出されたと思います。

 NRT(相対評価による標準学力検査)が4月は48でしたが、1月は56となり、そのことからも成果があったと言えると思います。

 また、生徒が学年外の教師にも慣れ、授業以外でも相談したり、質問したりするようにもなりました。

 さらに、理科メディアセンター(教科専用の多目的スペース)で飼育している生物の観察をしたり、図書やビデオを利用したりする生徒がとても増えました。

渡邊写真 渡邊  教師にとっての成果を、学級担任として、T・T担当教員として、学校全体として、の三点から述べてみたいと思います。

 まず、学級担任としてどうだったかということですが、T・T担当の教師が中心になって授業を進めていただいたので「精神的にゆとりがあった」「一人一人の児童の細かいところまで支援や援助ができるようになった」などという声が聞かれました。

 また、T・T担当教員としては、T・T導入以前よりも、より深い教材研究ができるように


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