福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.122(H09/1997.11) -027/042page
〔資料6 発表についての生徒の意識の変容〕
4 考察
(1) 実験装置を生徒に作らせ、それを用いて個別に実験を行わせることについて
生徒は、観察の結果どのような小動物が見れるのか期待感を持って実験装置の作製に取り組んでいた。教科書にあるような実験を実施する時、その手順どおり行うと、予想した結果が得られるため、生徒の期待感が薄れてしまう場合がある。しかし、今回は、個別に実験させたこともあり、生徒の学習に対する意欲は高まった。(資料1、資料2)
(2) 考察の時、観察結果を掲示して、互いに見せ合うことについて
友達と情報を交換することを通して、友達との意見の相違点や参考になることを知ることができ、自分の考察をより深め、納得できるものにすることができたようである。また、発表内容にも自信を持たせることができたと考えられる。(資料3、資料4)
(3) 発表内容をまとめさせる時、友達と情報交換する場を設定することについて発表内容を一人でまとめていた時よりも、情報交換をしたことで、学習したことの理解が深まり、自分の言葉でまとめられるようになった。(資料4、資料5、資料6)
4 研究のまとめと今後の課題
1 研究のまとめ
(1) 生徒一人一人に実験装置を作らせ、それを使って個別実験を行わせたことは、生徒の学習意欲を高めるために有効であった。
(2) 観察した結果を掲示して互いに見せ合うことにより、自分以外の情報を取り入れる機会を持つことができ、考察を深めるのに役立った。また、自分の考えをまとめさせる時に、時間をとって自由に意見を出し合い情報交換させたことは、発表内容に自信を持たせるのに役立った。
2 今後の課題
今回は、考察の内容を記録するプリントを用意して学習させたが、そのようなプリントがなくても、自主的に考察を深め、自分の考えをまとめていくことができるような力を育成したい。
※ これは、前任校本宮町立本宮第一中学校における研究実践である。