福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -035/042page
という気持ちが高まったことがうかがえる。このことは、本研究の一番の成果と考えている。
○ アンケートで「良かったところはどんなところですか」の設問に、
・ さわっている画面があって地層の様子がわかりやすかった
・ 地層を拡大して見られたのがよかったという記述が多かった。このことは、子供たちに地層の表面の様子や各層の構成物、そして地層の立体的な広がりをとらえてほしいと願い、「近づいてみよう」や「さわってみよう」など子供たちの興味を引くようなボタンを画面上に配置したことが有効であったと考えられる。
(2) 今後の課題
○ 本ソフトウェアを使った学習活動の後、子供たちから次のような発言があった。
・ 地層にはいろいろな種類がある
・ 一つの地層の中でも違いがある
・ 川や海の近くにあると思っていたが、山の方にもあるこのことは、本ソフトウェアを使っていろいろな地層を見比べたことによって、子供たちはその共通点や差異点を鋭く見つけ出し、直接体験をせずに「地層とはこういうものだ」ととらえてしまったとも考えられる。
直接体験を引き出す手だてをさらに工夫していくとともに、本ソフトウェアを単元のどこでどのように活用するのが最も効果的なのかについて、今後もさらに検証していく必要がある。
○ おわりに
本研究の推進に当たり、快く取材にご協力くださったいわき市アンモナイトセンター、並びにいわき市石炭化石館の関係者各位、そしてお忙しい中授業実践をしてくださった福島市立三河台小学校の先生方に厚く御礼申し上げます。
《参考文献》
・鈴木敬治 監修 「地学のガイドシリーズ16 福島県地学のガイド」 コロナ社 (1984)今回開発したソフトウェア「福島県の地層」は当センターのソフトウェアライブラリセンター」に収蔵されております。
また、本ソフトウェアの貸出等をご希望の方は、当センター情報教育部までお問い合わせください。