福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.123(H10/1998.2) -034/042page
3 授業の実践
開発したソフトウェアの授業における有用性について検証するため、福島市立三河台小学校にご協力をいただいて授業実践を行った。
(1) ソフトウェアを生かす授業の展開
協力していただいた第6学年の先生方は、本ソフトウェアを単元「大地のつくり」の第1時において活用することが最も効果があるという考えのもと、次のような授業を展開された。
1 宿泊学習で訪れたいわきの海岸やアンモナイト化石館を想起する。
2 海岸で見られた地層の写真を見て、気付いたことについて話し合う。
3 「地層」という言葉について知る。
4 地層について知っていることを発表し合う。
5 本ソフトウェアを活用して、福島県内のいろいろな場所で見られる地層を調べる。
6 調べてわかったことや気付いたことなどをもとに、地層についてさらに調べてみたいことを話し合う。(2) 子供たちの変容
授業終了後、子供たちに次のようなアンケートを実施した。
<このソフトウェアはあなたの学習に役立ちましたか?〉
<このソフトウェアを使って地層を調べてみようという気持ちは高まりましたか?>
4 考察
(1) 研究の成果
○ 本ソフトウェアのめざすところは、「直接体験への関心・意欲を引き出すこと」にある。したがって、最も危惧したことは、子供たちが本ソフトウェアを活用したことによって地層を「調べたつもり」になってしまい、もっと地層を調べてみようをいう気持ちが高まってこないという状況になることであった。
しかし、3(2)で掲げた2つのグラフから、多くの子供たちが、本ソフトウェアを学習に役立っものとして好意的に受け入れるとともに、これを活用することによって地層を調べてみよう